蛇足ですが、たばこを吸っている人は、それだけで気道への刺激が過剰である上、口で息をする癖がなかなか治らないので、この際、禁煙をお勧めします。

 鼻呼吸の効果が感じられるまでには、少し時間がかかります。それまでの間、症状を緩和してくれるものに、「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」という漢方薬があります。

 小さな湯呑みに熱湯を入れ、麦門冬湯を加えて、箸でかき混ぜて溶かします。これだけで、立派な「薬湯」のでき上がりです。この温かい薬湯を空腹時に飲むことで、胃腸が温まり、ひいては体全体が温まります。乾燥していた気道粘膜、消化管粘膜が潤います。こうして、冷たい空気と乾燥が刺激となって出ていた咳は、自然に改善してくることと思います。

 なお、効果がない、または完全に症状が治まったのに、漫然と投与するのは、くれぐれも避けたいところです。この漢方薬の効果は、早ければその日のうちに、遅くとも3日以内には、効いたか、効いていないか、変わらないか、どのベクトルを向いているかは判断できます。私は、初めは3日から5日間程度の処方をし、状況に応じて追加するようにしています。

 麦門冬湯は、漢方で重要とされている「証」診断(その人の体質に合うかどうか)を、厳密にしなくても、幅広い年齢層で、安全かつ有効な結果を期待できる、とても使いやすい薬です。「口呼吸をやめること」と併せてぜひこの機会に試してみられることをお勧めします。皆様のご健康を、心よりお祈りいたします。