連日にわたる被災地での救援活動、本当にお疲れさまです。私は、物資支援、寄付、節約、と間接的な支援しかできず、現地に赴き、過酷な救援活動を担ってくださっている方々には、感謝しきれません。

 震災から1カ月余りが過ぎ、避難所生活を余儀なくされている方々は、震災後の肉体的、精神的な疲れが、ピークを迎えている頃かもしれません。

 「風邪をひいた後、が止まらない」「特に夜、床に就いたら、痰が喉につまり、苦しくて眠れない」「日中は、人前で話そうとすると、咳込んでしまう」「とにかく喉と口が乾いて仕方ない」…。春先になると、こういう症状の人を、外来でよく見かけます。避難所でも、同様の症状でお困りの方が、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

 発熱、食欲低下、呼吸困難、動悸、気分不良など他の症状に乏しく、割と元気にもかかわらず、咳と痰、口から喉の乾きがある場合、私は、口呼吸がこれらの症状の原因になっていることが多いと考えています。

 口で息をすると、唾液が出なかったり、出てもすぐ蒸発してしまいます。すると、口や喉が乾燥し、咳込むことになります。また、口で息をすると、冷たい空気が喉から気管を刺激し、やはり咳込みの原因になります。人前で話す機会が多い人は、口を開く回数が多いため、口で息をする癖がつきますし、元々鼻づまりがひどい人は、鼻で息をするのが大変なので、やはり口呼吸が癖になり、咳込みます。中には、マスクを1日中つけていることで、口が開きっぱなしになり、口呼吸の癖がつく人もいます。

 片方の歯でものを噛む癖(片噛み)がある人は、噛まない方の口角が下がって左右差が生まれ、上唇と下唇がぴったりと合わなくなります。すると無意識のうちに、口が半開きの状態になってしまい、口呼吸の原因になるので、これも見直す必要があります。

 寝るとき、横向きやうつぶせで寝る癖のある人は、気管が圧迫されて、必ず口は開きます。下になっている方の鼻は、つまります。当然、口呼吸になるため、「夜、布団に入ると咳が止まらない」という症状の原因は、寝るときの姿勢の悪さにもあると言えます。

 また、枕を使用している人も多いことと思いますが、枕をすると、頚が前屈状態になり、それだけで気管が圧迫され、苦しいので、自然に口は開きがちになります。一番のお勧めは「枕は使わずに」仰向けで寝ることです。アゴを意識的に挙げ、医学的に言えば「挿管体位」にすることで、理想的な気道確保ができます。その状態で、口を閉じ、舌を喉のほうに巻き上げ、鼻で吸い、鼻で吐く。これだけでも、夜間の咳は、ずいぶんと治まるはずです。