今回の地震で、被災された方々、今もなお日夜労苦されている方々のことを思い、祈ります。一日も早く、疲れが癒され、暖かな住居、快適な衣類、十分な食事が、整えられますように。

 私が住む秋田は、同じ東北地方でも西側に位置しており、大きな損害を逃れました。「助かった・・・」と安堵するのではなく、「助かったからこそ、負うべき任務がある」と気をひきしめ、目の前の様々な問題が、一つひとつ、解決に向かっていくよう、私も力を尽くしたいと思います。

 さて、地震の後、当院の内科や救急を訪れる患者さんは、必ず、多かれ少なかれ、地震の影響を受けています。

 「地震のとき、たまたま東京にいたが、飛行機が飛ばず、羽田空港に1泊した。翌々日に上越新幹線で新潟まで出て、いなほに乗って山形の酒田へ、そこに秋田市内から家族が車で迎えにきてくれて、ようやく家にたどり着いた。次の日から仕事に復帰したら、めまいが出てきた」という方。

 「1日、停電になって、灯油も尽きて、寒さに震えていたら、やっぱり風邪をひいた」という方。

 停電が解除された後は、「テレビに釘付けになって、見れば見るほど恐ろしくなって、電気の紐が少しでも揺れれば、『またきた! 今度は、男鹿が震源地では?』と不安で仕方がない」という方。

 被災地で、お亡くなりになられた方や、重傷を負われた方、衣食住の確保もままならない方からみると、たいした問題ではないかもしれません。それでも、被災地の方に協力できるのは、被災を免れた「被災地の周辺」の人々です。この「周辺」の人々が元気に社会貢献できるよう、お手伝いすることが、ひいては被災地の方々への支援になると思い、診療に当たっています。

 現在、直面しているのが、薬品を含む物資自体の不足と、ガソリン不足と交通事情で、物流が制限されていることです。薬は本当に必要な場合に限り処方し、できる限り、被災地で必要とされている方の手に渡るよう、努力しています。

 そこで、薬の必要性が低く、自然治癒が期待できる「かぜ」に関しては、生活指導に重きを置いて、助言しています。僭越ながら、その内容をご紹介したいと思います。

 私は、かぜが疑わしい患者さんがいらしたら、必ず、患者さんの舌を診察します。多くは、舌の表面は乾燥していて、舌の先端から舌縁に「歯痕」という歯の型がついています。常に、舌の先端が垂れ下がって、前歯に密着している証拠です。

 こういう舌をしている人は、口を開きやすく、ほぼ100%、口呼吸または鼻-口呼吸をしています。対策は、いたって明瞭です。口を閉じ、舌を喉奥に向かって挙上した状態で、鼻呼吸をすること。

 ただ、この「舌挙上」が、言うは易し、行うは難しなのです。そこで、以前このブログでご紹介した「あいうべ体操」が、大活躍します。この体操をすることで、舌と顔に必要な筋力がつき、鼻呼吸が楽にできるようになるので、必ず患者さんに説明しています。

 次に、患者さんの姿勢を観察します。老若男女問わず、大抵、猫背です。テレビやパソコン画面を見続ける習慣のある人。うつむいたまま、読書、携帯やゲームに没頭する人。日頃の疲れがたまっていて、脊柱起立筋を使う元気がなく、前屈みで歩いている人。

 前屈みの姿勢は、実に大きな問題をはらんでいます。頸部を前屈することで、気管が圧排され、息苦しくなるので、つい口で「はあはあ」と息をしてしまいます。息苦しいと、体調が悪いので、イライラしたり、不安感にかられるのも、特徴です。