健康社会の実現に向けてコンティニュアが本格始動(詳報)

コンティニュアが新パラダイムの医療を実現する可能性

写真4 帝京大学本部情報システム部部長で同附属病院麻酔科学講座准教授の澤智博氏

 発表会では、帝京大学本部情報システム部部長の澤智博氏(写真4)が、コンティニュアが医療現場でどのような役割を果たせるかについて講演した。

 澤氏はまず、旧パラダイムの医療を「反応的・対象的」「疾病中心」「断片的」とし、それに対して新パラダイムの医療は「先行的・予見的」「生活スタイル中心」「連続的・継続的」だと指摘。新パラダイム医療を実現するためには、Prediction(予測)、Prevention(予防)、Participation(参加)、Personalization(個別)の4つの「P」が必要であり、その実現にはICTの活用が重要と主張した。

 次にコンティニュアに対する医療者の期待について澤氏は、「医師の一般的な診療サイクルは、観察→異常の発見→意思決定・計画立案→アクション(検査・治療)→再評価という流れだ。これまでの診療では、患者さんが異常を自覚して観察フェーズに入っていく。対症的、疾病中心であり、医療機関と患者さんは断片的に点で接している」とみる。

 「これに対して、コンティニュアを利用すれば普段の生活の中で副産物としてデータが生成されるので、観察フェーズでそのデータを解析、異常の発見フェーズでトレンド検知も可能になる。そこから意思決定のフェーズに入ることもあれば、患者さん自身が生活スタイルを修正して、自身で健康管理や慢性疾患管理するという新しいサイクルを回すことが可能。医療機関と面で接するような、新パラダイムの医療に変わるだろう」(澤氏)と予測した。

写真5 米Yellow Digital Health Lab. 社はセンサー技術、携帯ネットワーク、SNSを融合したトータルeWellnessサービスを紹介

 また同氏は、電子カルテを中心とした病院情報システムと検査部門の医療機器群との電子的な接続は進んでいるものの、ベッドサイドにおけるバイタルサインの各種計測機器と病院情報システムとの接続は不十分で、手作業に頼っていると指摘。「コンティニュアは病院内での“ラストワンマイル”ソリューションとして期待できる」と述べた。

 さらに澤氏は、医学研究分野でのコンティニュアの期待についても、「2000年代最初の10年は膨大なゲノム関連データから疾病を軸とした解析が進展したが、これからは大規模なPhenotype(表現型)データがゲノムデータと合わせて使われるようになり、環境・ライフスタイルを考慮した解析が進められるだろう。コンティニュアのようなICT化の副産物として大規模データの取り扱いが可能になり、医学研究のイノベーションに向かう」と語った。

参加24社が対応機器やサービスを展示

写真6 タニタは血圧計、体重体組成計、歩数計、USBレシーバーなどを並べた

 発表会では、コンティニュア対応機器を導入した事業者として紹介されたセントケア・ホールディングの訪問看護サービス支援ソリューションやエム・オー・エム・テクノロジーの総合健診システム「LANPEX evolution」をはじめ、24社がコンティニュア対応機器やサービス、開発ツールなどを展示した(写真5)。

 コンティニュア対応健康管理機器では、エー・アンド・デイが新たに病院向け全自動血圧計、外来・検診システム用自動血圧計を展示したほか、オムロンヘルスケアやタニタ(写真6)が血圧計、体重体組成計、歩数計などを展示。日本での発売は未定ながら米Nonin Medical社がコンティニュア対応のパルスオキシメーターを参考出品した。また、コンティニュア対応健康管理機器で収集したデータをインターネット経由で管理するサービスとして、ミュートスが「@からだ」、日立ソフトウェアエンジニアリングが「匿名バンク」を展示した。
(増田克善=委嘱ライター)

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