音声入力で臨床現場の診療効率は劇的に変わるか!?

読影レポート作成における音声認識ソフトの実力を探る---順天堂大学医学部附属練馬病院

テンプレートの登録でさらに作業効率が向上

写真4:テンプレートを活用することにより、レポート作成を効率化できる

写真4:テンプレートを活用することにより、レポート作成を効率化できる。特に異常が認められない患者のレポートが多いときは、テンプレートは非常に有効だという

 レポート作成の効率化を図る上で、定型のテンプレートを登録して利用することが最も有効な方法といえよう。特に異常が認められない患者のレポート作成で、非常に重宝するという。登録したテンプレートの呼び出しも音声ででき、表示されたレポート例に音声でアレンジしていくだけでスピーディに作成することができる。


 「20例ほどのテンプレートを登録していますが、例えば『頭部MRI正常』という発声をすれば、頭部のMRI、MRA検査で異常が見られない患者さんの例文が呼び出されます。それに追加すべき所見、削除すべき部分の修修正を加えることで、白紙からの作成よりはるかに効率的にレポートを完成させることができます。検査結果に病変などが認められない患者さんや、術後変化のみの患者さんのレポートはあっさりした内容になりますので、そうした患者さんの作成が続くようなときは、このテンプレートの活用がとても有効です」(尾崎氏)。


 そうしたテンプレート活用は、特に集団検診の読影レポートなどで作業効率の向上に寄与するという。集団検診の読影では異常がない人が多いため、数パターンの読影結果文例をあらかじめ用意し、迅速化のために医師は検査結果に記号を記入し、事務担当などがその記号に対応した文例を入力して検査結果を検診者に渡す場合があるという。そこで音声認識ツールのテンプレートを利用することで、人手をかけることなく効率的に検査結果を作成できるわけだ。


最大のメリットは読影に集中できること


写真5:画像ビューアから視線を動かさず、読影に集中できることが大きなメリットだ

写真5:画像ビューアから視線を動かさず、読影に集中できることが大きなメリットだ

 ブラインドタッチで文章を入力できるかどうかにかかわらず、レポート作成に際しては、画像ビューアから視線を動かすことなく読影に集中できることが最も重要なポイントになる。キーボード操作やレポート作成画面に視線を動かすことは集中力を欠くことにつながりかねないからだ。


 尾崎氏は、「われわれ読影医は、画像ビューアを操作しながら見えている範囲の事象をいったん頭の中にインプットし、頭の中で整理しながら見えている複数認識した所見をどのように関連付けるか総括してレポート表現を構成します。それらのプロセスに集中しているときに、キーボードやレポート作成画面に視線を動かすことは非常にストレスを感じます。ハンディマイクを片手に、画像ビューアに全神経を集中できる点が最大のメリットでしょう」とまとめた。(増田 克善=日経メディカル オンライン・委嘱ライター)



■AmiVoice開発元について
・社名:アドバンスト・メディア
・会長:鈴木清幸氏、社長:長谷川一行氏
・本社所在地:東京都豊島区東池袋3-1-4
・設立:1997年12月
・資本金:43億7700万円(2009年3月末日現在)
・URL:http://www.advanced-media.co.jp/
・事業内容:AmiVoiceを組み込んだ音声認識ソリューションの企画・設計・開発を行う「ソリューション事業」、AmiVoiceを組み込んだアプリケーション商品を提供する「ライセンス事業」、企業内のユーザや一般消費者へのサービスにAmiVoiceを提供する「サービス事業」が主な柱。
独自の音声認識等の技術AmiVoiceにより、“声”で文章入力などができる各種ソリューションを提供する。AmiVoice音声認識エンジンは、利用者ごとに声の事前学習を行うことなく、すぐに音声入力できる「不特定話者対応が大きな特徴。医療、教育、エンターテインメント、議事録、コールセンター、ビジネスソリューションなど多様な分野で利用されている。医療分野では、2900超の施設で導入ずみという(2009年3月末現在:同社調べ)。

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