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ガイドライン外来診療2009

不眠症

  • 久留米大学病院 精神神経科 教授 内村 直尚

診断

  • 睡眠の障害に加えて日中の活動性の低下がみられるものが不眠症である。
  • 不眠はさまざまな原因で起こるため、不眠を引き起こす疾患を鑑別する必要がある。
  • 鑑別診断の際には、詳細な問診が重要である。
  • 不眠の原因のなかには、精神疾患、内科疾患もあり、これらの鑑別診断も重要である。

治療

  • 不眠の治療は、睡眠衛生の指導と薬物治療が重要である。
  • 消失半減期を指標として不眠のタイプ、年齢、全身状態や生活状況に応じて睡眠薬を使用する。
  • 睡眠薬は医師の指導を守って正しく使用すれば安全であることを患者に説明する。

処方例

    (1)67歳、男性。入眠困難、中途覚醒

  • マイスリー錠 1日5〜10mg 分1 就寝前
  • 上記でも中途覚醒が改善しない場合

    (以下を併用)

  • ドラール錠(15mg) 1錠 分1 就寝前
  • (2)48歳、女性。入眠困難、中途覚醒、熟眠障害、早朝覚醒

  • レンドルミン錠(0.25mg) 1錠 分1 就寝前
  • 上記でも中途覚醒、熟眠障害あるいは早朝覚醒が改善しない場合

    (以下を併用)

  • ロヒプノール錠 1日1〜2mg 分1 就寝前

患者・家族への説明のポイント

  1. 不眠症は治療可能であり、朝一定の時刻に起床するなど規則正しい生活を心がけることや日中、光を浴びて運動するなどの睡眠衛生に注意する。
  2. 睡眠薬に対する不安を軽減させるため、睡眠薬は医師の指示通り正しく用いれば怖くないことを説明する。
  3. 睡眠薬服用後は眠気が出現しなくても15分以内に入床する。
  4. アルコールは深い睡眠を妨げるので結局十分には眠れない。睡眠薬代わりにアルコールは飲まない。

どのような場合に専門医に紹介すべきか

  • 特殊な不眠症(睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群、睡眠覚醒スケジュール障害)の場合
  • 消失半減期の異なった睡眠薬を2錠併用しても改善しない場合

参考文献

  • 内村直尚:睡眠薬.エクセルナース薬シリーズ[脳神経編](田中正敏監修).p32,メディカルレビュー社,東京,2001.
  • 睡眠障害の診断・治療ガイドライン研究会:睡眠障害の対応と治療ガイドライン(内山 真 編).じほう,東京,2002.
  • American Academy of Sleep Medicine : The International Classification of Sleep Disorders, 2nd edition. American Academy of Sleep Medicine, Westchester, 2005.
  • 内村直尚:不眠症.心療内科 12:353,2008.
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編集主幹:泉 孝英(京都大学名誉教授/京都・中央診療所)

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