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ガイドライン外来診療2009

帯状疱疹

  • 東京大学医学部附属病院 皮膚科・皮膚光線レーザー科 准教授 菊池 かな子

診断

  • 一定の神経領域で片側性の神経痛を前駆症状とすることが多い。
  • 疼痛発現の数日後に浮腫性紅斑が出現、次第に水疱化し、徐々に痂皮化する。
  • 発疹出現前は片頭痛、心疾患、急性腹症などとの鑑別を要する。水疱出現後は接触性皮膚炎、丹毒、単純疱疹などとの鑑別を要する。
  • 迅速な確定診断として、水疱底の塗抹標本で得られるウイルス性巨細胞で、VZV特異的なモノクローナル抗体を用いてウイルス抗原の検出を行う。

治療

  • できるだけ早期に抗ウイルス薬の全身投与を行う。
  • 腎機能障害がある場合は、クレアチニンクリアランスにより投与量を調節する。
  • 初期の疼痛に対しては、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)を用い、無効な場合はステロイド薬、コデインリン酸塩水和物(リン酸コデイン®など)、三環系抗うつ薬の投与、神経ブロックの併用も積極的に行う。

処方例

    抗ウイルス薬

    (いずれかを選択)

  • バルトレックス錠(500mg) 6錠 分3 7日間
  • ファムビル錠(250mg) 6錠 分3 7日間
  • 重症例

    (いずれかを選択)

  • ゾビラックス注(250mg) 1回5〜10mg/kg 1日3回 点滴静注 7日間
  • アラセナ-A(300mg) 1回5〜10mg/kg 1日1回 点滴静注 5日間
  • 消炎鎮痛薬

    (いずれかを選択)

  • ロキソニン錠(60mg) 3錠 分3 食後
  • インテバンSPカプセル(25mg) 2カプセル 分2 朝 夕 食後
  • 高齢者などPHN(帯状疱疹後神経痛)防止のため

  • プレドニン錠(5mg) 12錠 分3 食後 7日間 以後漸減
  • PHNの場合

    (以下を適宜併用)

  • ロキソニン錠(60mg) 3錠 分3 食後
  • ノリトレン錠(25mg) 1錠 分1 就寝前 以後漸増
  • ガバペン錠* (300mg) 1錠 分1 就寝前 以後漸増
  • 外用療法

    ごく軽症でPHNの恐れがない場合

  • アラセナ-A軟膏 1日1〜2回 塗布
  • 抗ウイルス薬全身投与と併用して

  • ベシカム軟膏 1日1〜2回 塗布
  • 水疱後のびらん部

  • アクトシン軟膏 1日1〜2回 塗布
  • PHN

  • モーラステープ(7×10cm) 1日1回 貼付
  • *保険適用注意

患者・家族への説明のポイント

  1. 帯状疱疹の原因は、幼少期に罹患した水痘・帯状疱疹ウイルスによる。水痘・帯状疱疹ウイルスは水痘治癒後も脳脊髄神経節に潜伏し、成人後、疲労や免疫不全などにより再活性化し、神経節領域の神経を経て、皮膚に水疱を生じさせる。片側性で多くの場合、神経痛を伴う。
  2. 初期の疼痛は神経の炎症によるが、特に高齢者では神経の変性による疼痛(PHN)に移行しやすい。PHNは年余にわたることもあり、注意を要する。
  3. 水痘に罹患していない者や、免疫機能の低下した者には帯状疱疹が伝染する恐れもあるので、接触は避ける。

どのような場合に専門医に紹介すべきか

  • 顔面、特に三叉神経第1枝領域の帯状疱疹では高率に眼合併症、第2、3枝領域ではRamsay Hunt症候群を伴うため、早期に眼科、耳鼻科に紹介する。またPHNも起こしやすいので、ペインクリニック受診を積極的に勧める
  • 高齢者、免疫機能の低下した者もPHNのリスクが高い。できるだけ入院加療を試み、ペインクリニック受診も積極的に勧める

参考文献

  • Klenerman P, et al : Antiviral treatment and postherpetic neuralgia. Br Med J 298 : 832, 1989.
  • Dworkin RH, et al : Recommendations for the management of herpes zoster. Clin Infect Dis 44(Suppl 1): S1, 2007.
ガイドライン外来診療2010
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編集主幹:泉 孝英(京都大学名誉教授/京都・中央診療所)

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