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ガイドライン外来診療2009

蕁麻疹

  • 岩手県立中央病院 皮膚科 森 康記

診断

  • 蕁麻疹は、激しい痒みを伴う一過性の膨疹を臨床的な特徴とする。皮疹は1〜2日で色素沈着を残さずに消退するので、臨床所見と経過より診断は容易である。
  • 詳しく問診を取ることによって病型を判断することができる。

治療

  • 抗ヒスタミン薬の内服と、原因の回避が主たる治療である。
  • 慢性蕁麻疹では、いったん症状を抑制しても内服薬減量は徐々に行っていくのがよい。
  • 抗ヒスタミン薬を処方する場合は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないか、または十分に注意を促しカルテに記載しておく。

処方例

    急性蕁麻疹(軽症)

  • アレグラ錠(60mg) 2錠 分2 食後

急性蕁麻疹(中等症)(以下のいずれかを選択)

  • セレスタミン錠 3錠 分3 食後
  • 強力ネオミノファーゲンシー注 1日1回20mL 静注
  • ポララミン注(5mg) 筋注

慢性蕁麻疹(いずれかを選択)

  • アレグラ錠(60mg) 2錠 分2 食後
  • ジルテック錠(10mg) 1錠 分1 夕食後

抗ヒスタミン薬単独治療に抵抗性の場合(以下を併用)

  • ジルテック錠(10mg) 1錠 分1 夕食後
  • オノンカプセル*(112.5mg) 4カプセル 分2 朝 夕 食後
  • *保険適用注意

患者・家族への説明のポイント

    (1)蕁麻疹は、さまざまな要因で発症することを理解させる。「内臓が悪いから治りにくい」といった誤解を解くのも大切である。

    (2)慢性蕁麻疹では、抗ヒスタミン薬を中心とした内服薬治療を継続していく。

    (3)抗ヒスタミン薬の服用では、眠気の副作用の少ない第2世代のものを用いて、自動車の運転など危険を伴う機械の操作はやめさせるか、十分な注意を促す必要がある。

どのような場合に専門医に紹介すべきか

  • アナフィラキシーショックの場合
  • 治療抵抗性の場合
  • 膨疹の色調が濃く、消退まで長い場合
  • 紫斑を伴う(血管炎を併発している)場合
  • 口唇など一部分のみの浮腫の場合
  • 消化管症状が併発した場合

参考文献

  • 田中稔彦 他:蕁麻疹の分類と疫学.アレルギー・免疫 10:571, 2003.
  • 蕁麻疹・血管性浮腫の治療ガイドライン作成委員会:蕁麻疹・血管性浮腫の治療ガイドライン.日皮会誌 115:703, 2005.
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編集主幹:泉 孝英(京都大学名誉教授/京都・中央診療所)

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