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ガイドライン外来診療2009

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

  • 信州大学医学部保健学科 検査技術科学専攻 教授 藤本 圭作

診断

  • 40歳以上で、①慢性の咳嗽、②慢性の喀痰、③労作時の息切れ・呼吸困難、④長期間の喫煙、あるいは職業性粉塵曝露歴を有する、のうち①〜③の症状のいずれか、あるいは④があり、以下の2つがある。
  • スパイロメトリーで気管支拡張薬投与後の1秒率が70%未満である。
  • 他の閉塞性換気障害を来す疾患が除外される。

治療

  • 危険因子の除去(禁煙、粉塵曝露の回避)
  • 増悪の予防(インフルエンザワクチンおよび肺炎球菌ワクチン接種)

薬物療法

  • 症状安定期:気管支拡張薬(長時間作用型抗コリン薬〈チオトロピウム臭化物水和物;スピリーバ®〉のみ、または長時間作用型吸入β2刺激薬〈LABA〉か徐放性テオフィリン製剤を追加)と必要に応じて短時間作用型吸入β2刺激薬(SABA)
  • 増悪を繰り返す重症例:上記に加えて吸入ステロイド(ICS)またはサルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル(アドエア®)
  • 症状増悪期:気管支拡張薬の増量・追加+抗菌薬(膿性痰に対して)+全身性ステロイド薬
  • 呼吸リハビリテーション
  • 在宅酸素療法(HOT)
  • 併発症に対する治療

処方例

    軽症〜中等症例

    (以下を適宜併用)

  • スピリーバ 1回1吸入 1日1回 朝
  • メプチンエアー または メプチンクリックヘラー または サルタノールインヘラー 1回2吸入 1日3〜4回まで 頓用
  • 重症例

    (以下を併用)

  • スピリーバ 1回1吸入 1日1回 朝
  • セレベント 1回1吸入 1日2回 朝 夜 または ホクナリンテープ(2mg) 1日1枚貼付
  • または上記に以下を適宜併用 

  • テオドール錠(100mg) 2錠 分2 朝 夕 食後
  • メプチンエアー または メプチンクリックヘラー または サルタノールインヘラー 1回2吸入 1日3〜4回まで 頓用
  • 増悪を繰り返す重症例

    (以下を適宜併用)

  • スピリーバ 1回1吸入 1日1回 朝
  • アドエア 1回1吸入 1日2回 朝 夜
  • テオドール錠(100mg) 2錠 分2 朝 夕 食後
  • メプチンエアー または メプチンクリックヘラー または サルタノールインヘラー 1回2吸入 1日3〜4回まで 頓用
  • ・局所副作用が強ければアドエアを吸入ステロイド薬(ICS)*に変更。

    増悪は基本的に基幹病院へ紹介すべきであるが、軽症〜中等症の増悪例に対して

    (以下のいずれかを適宜併用)

  • 抗菌薬(例:レスピラトリーキノロン薬 または マクロライド系薬)
  • 気管支拡張薬(例:SABA)の増量、追加
  • プレドニゾロン*20〜30mg/日を10日間内服
  • *保険適用注意

患者・家族への説明のポイント

  1. COPDは、タバコ煙などの有害なガスや粉塵によって肺の老化が極端に進行し、年単位で呼吸機能は低下し、労作時の息切れが次第に増強する病気である。
  2. 肺だけではなく全身にも影響を及ぼし併発症を来す。
  3. 原因の除去(禁煙)により病気の進行を抑制できる。
  4. 治療により、壊れた肺はもとには戻らないが、息切れなどの自覚症状や運動耐容能を改善させることが可能である。

どのような場合に専門医に紹介すべきか

  • COPDを疑うが、スパイロメーターがなく、確定診断ができない場合
  • 喘息を含め、鑑別が困難な場合
  • HOTの導入時
  • 重症COPD患者の増悪
  • 呼吸不全を伴う増悪
  • 初期治療にて増悪が改善されない場合

参考文献

  • 日本呼吸管理学会呼吸リハビリテーションガイドライン作成委員会 他 編:呼吸リハビリテーションマニュアル−運動療法.照林社,東京,2003.
  • 日本呼吸器学会COPDガイドライン第2版作成委員会 編:COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第2版.メディカルレビュー社,大阪,2004.
  • Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease : Global Strategy for the Diagnosis, Management and Prevention of Chronic Obstructive Pulmonary Disease updated 2007.〈http://www.goldcopd.org〉
ガイドライン外来診療2010
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詳細は『ガイドライン外来診療2010年度版』で!

◎このコーナーでは、毎年発行されている書籍『ガイドライン外来診療』の2009年度版から、代表的な46疾患の診断、治療、処方例などを簡潔に解説した「要約」を転載しています。
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編集主幹:泉 孝英(京都大学名誉教授/京都・中央診療所)

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