あけましておめでとうございます。日経メディカル編集長の千田です。2012年の今年、日経メディカルは4月号で創刊40周年を迎えます。本年も日経メディカルならではの独自の取材記事を掲載していきますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
さて、1月号の読みどころを紹介します。特集は「『家庭医』のススメ〜日本の医療を救う最後の切り札〜」です。高齢化や医師不足などを背景に、「家庭医」や「総合医」の制度化を目指す動きが加速しています。厚生労働省でその位置づけが検討され始め、専門医制度にも家庭医が組み入れられる見通しです。本特集では特別取材班が国内のみならず、米国にも足を延ばし、これから日本に必要とされる家庭医像を描き出しました。
特集ではまず、地域で奮闘する家庭医の姿をルポ、続いて日本における家庭医制度の方向性を大胆に予測します。対談では家庭医養成の先駆者2人にご登場いただき、求められる家庭医像を語ってもらいました。特集後半は米国の家庭医のレポート。そして、小社から12月に発刊された米国の家庭医療の教科書『家庭医療の技術』から、家庭医療学のエッセンスが凝縮された章を抜粋して紹介します。30ページの大特集ですが、どうかお読みいただき、ご意見をいただければと思います。
その他トレンドビューでは、「流行続く耐性マイコプラズマ肺炎」「変わるドライアイ治療」「乳幼児のくる病が増えた理由」など、こちらも盛り沢山です。
ところで、12月に小社から2冊の医療関連書籍が発刊されました。1冊は前述の『家庭医療の技術』(9500円+税)。米国で定評ある家庭医療学の教科書『CURRENT Diagnosis and Treatment in Family Medicine』の全訳。700ページを超える読み応えのある教科書です。もう1冊は一昨年まで小誌で連載されていた『医師のためのパフォーマンス学入門』(佐藤綾子著、2400円+税)です。小誌に連載された30回のケーススタディーに加え、患者の信頼を得るためのパフォーマンスのノウハウを新たに書き下ろしていただきました。2冊とも、明日からの診療にすぐに役立つ書籍です。ご購入いただければ幸いです。
『日経メディカル』編集長 千田 敏之

東日本大震災から7カ月後、気仙沼市立本吉病院長に就任した川島実氏は、小児も高齢者も診るオールラウンダー。慢性疾患の管理はもちろん、小手術や緩和ケア、ヒアルロン酸注射もこなす。同病院以外に医療機関のない僻地において、町民全体の家庭医となるべく奮闘する川島氏の姿を追った。

北海道家庭医療学センターは、国内の家庭医養成拠点の草分けだ。同センターを立ち上げ、現在は福島県立医大で地域医療支援などに携わる葛西龍樹氏と、同センターの現理事長として道内に家庭医派遣などを行う草場鉄周氏に、日本における家庭医像やその必要性について語ってもらった。

米国における家庭医療の教科書(邦題『家庭医療の技術』、小社刊)の筆頭編著者であるピッツバーグ大教授のジャネット・サウス- ポール氏。氏が研修プログラムを受けた頃、家庭医療の教科書は皆無だった。40年以上かけて確立してきた米国家庭医療学のエッセンスと同氏が本書に込めた思いを聞いた。

昨年10月、100歳を迎えた聖路加国際病院理事長の日野原重明氏。病院経営や講演、執筆活動の傍ら、現在も同病院のホスピスの定期回診を欠かさない。そんな日野原氏が今注力するのは、日本でのナースプラクティショナー制度とメディカルスクールの実現だ。「どちらも時間がかかる。だから長生きしないと」と同氏は語る。

「あいつはおなごじゃけ」。女性外科医が皆無の1960年代に小児外科医となった元九大小児外科教授の水田祥代氏は時に、周囲から嫌みを言われた。しかし気にせず、外科医としてやりたいことに全力を挙げた。そんな同氏の原点となったのが英国留学。小腸閉鎖症や悪性腫瘍など、2年間で1200例以上もの手術を経験した。