日経メディカル最新号のご案内:2010年2月号

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今号の読みどころ

 こんにちは。日経メディカル編集長の千田です。2月号の読みどころを紹介します。

 特集は「喘息発作ゼロ作戦」です。今年1月、国内2剤目の、吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬の合剤「シムビコート」が発売され、喘息治療の幅がさらに拡がりました。吸入ステロイド薬の普及で喘息死は減少傾向にあるものの、高齢者喘息死の割合は増加しています。特集では、患者の年齢、病態、重症度に応じた薬剤選択の方法を詳説するとともに、発症初期からの治療開始の重要性や、きめ細かな患者指導によるアドヒアランス向上のノウハウについても分かり易く解説しています。

 トレンドビューは「世界初の経口カルバペネム登場」「糖尿病網膜症も低侵襲化」「難治性高血圧に腎動脈狭窄」「消化管の新問診票、出雲スケール」「奈良の不正請求に実刑判決」の5本です。

 「奈良の不正請求」の記事は、奈良県大和郡山市の山本病院の元理事長が、診療報酬を不正に受給した詐欺罪で実刑判決が出たことを受けて、事件の背景を徹底取材したものです。生活保護受給者を患者として入院させ、不要な検査・手術を施し診療報酬を不正請求したこの事件、奈良県への最初の“たれ込み”は1999年にあったそうです。しかし、本格調査は先延ばしとなり、奈良県警が事情聴取と家宅捜索に乗り出したのは、実に10年後の2009年になってからでした。いわゆる「貧困ビジネス」の一形態とも言える、生活保護受給者を食い物にした不正請求がなぜここまで野放しにされてきたのか――。その内実を明らかにした本記事を是非、お読み下さい。

 最後に映画の話題を。今月号の「編集部から」にも書きましたが、西川美和監督の「ディア・ドクター」がキネマ旬報の2009年度の邦画1位に選ばれました。笑福亭鶴瓶が僻地の“医師”を演じる映画です。医療映画がキネ旬のベストテンに選出されるのは最近では珍しいことです。1960年代は「赤ひげ」(黒澤明監督、65年1位)、「白い巨塔」(山本薩夫監督、66年1位)。80年代は「ヒポクラテスたち」(大森一樹監督、80年3位)、「海と毒薬」(熊井啓監督、86年1位)。90年代は「病院で死ぬということ」(市川準監督、93年3位)。そして今回の「ディア・ドクター」です。こうみてくると、ほぼ10年に1本、その時代の映画表現と、医療問題がうまくかみ合ったときに、名作が生まれているようです。

 私は個人的には田宮二郎が主演し、テレビドラマの原型にもなった山本薩夫監督の「白い巨塔」がお気に入りです。数年前のフジテレビ系列の唐沢寿明の「財前五郎」よりも、田宮二郎の財前の方が格段に迫力があります。昔の映画俳優の底力を感じさせてくれる傑作です。DVDも出ていますので、機会があれば是非ご覧下さい。

『日経メディカル』編集長 千田 敏之

今月の早わかり

  • 特集

    吸入ステロイド薬を正しく使い
    喘息発作ゼロを目指す

    吸入ステロイド薬ブデソニドと長時間作用性β2 刺激薬ホルモテロールの合剤「シムビコート」が1月に発売され、わが国で使用できる吸入ステロイド薬は13種類になった。多種多様な薬剤の中から患者に最適な吸入ステロイド薬を選択し、吸入を正しく継続させれば、喘息治療は発作ゼロを目指せる時代になった。

  • トレンドビュー

    世界初、小児用経口カルバペネム

    難治性の小児感染症に有力な新薬が登場した。経口投与可能なカルバペネム系抗菌薬テビペネム(商品名オラペネム)だ。ペニシリンやマクロライドに耐性の肺炎球菌やアンピシリン耐性のインフルエンザ菌にも有効だ。耐性菌対策の観点から「他の抗菌薬による治療効果が期待できない症例に限り使用」という位置付けだ。

  • トレンドビュー

    糖尿病網膜症治療は低侵襲の時代

    「『レーザーは痛い』と言って眼科受診を止める網膜症患者が少なくなかった」。名古屋市立大の野崎実穂氏がこう指摘するように、患者への侵襲が問題だった光凝固術。新タイプの装置が登場し、痛みが少なく、1回の照射で多数の個所の凝固が可能になった。一方、硝子体手術でも結膜を切開しない術式が普及し始めている。

  • トレンドビュー

    奈良の診療報酬不正受給に実刑判決

    生活保護受給者に対し、実施していない冠動脈ステント留置術を行ったかのように偽装して診療報酬を不正に受給したとして、奈良県の山本病院の元理事長が実刑判決を受けた。同病院は経営難の中、県外から多くの生活保護受給者を入院させ、過剰診療を常態化させていた。さらに、患者供給ルートの存在も明らかになった。

  • この人に聞く

    「九大生体解剖事件」 を語り続ける

    太平洋戦争末期の1945年5月、九大病院で、米軍兵士に対する実験的手術が行われた。医学生としてその現場に居合わせた東野利夫氏は、戦後、独力で調査を続け、79 年に『汚名 「九大生体解剖事件」の真相』を著した。その後も「戦争は悲惨と愚劣しか残さない」と、各地で講演活動を続ける。

  • 日経メディクイズ 胸部/皮膚/腹部エコー/小児/心電図/在宅医療(PDF)
  • 日常診療のピットフォール 29歳、男性。右季肋部痛と咳。

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