2006.06.18

専門展「サプリ&機能性食品2006」で京都府立医科大学吉川教授が基調講演 生活習慣病予防の可能性を示すバイオマーカーを発見

 専門展「サプリ&機能性食品2006」が、6月15日からサンシャインシティ文化会館(東京・池袋)で開幕した。

 初日に基調講演を行った京都府立医科大学の吉川敏一教授は、「これからは病気になった後の治療ではなく、病気にならないことが重要」と提言。そのために、病気を発症するまでの間に、体の中で起きる変化、特に疾病リスクを高めるような変化を知る「しっかりした評価法と指標(バイオマーカー)が必要だ」と述べた。

 多くの生活習慣病の発症には、活性酸素(ラジカル)が関与していることに吉川教授は着目。この活性酸素によって生まれた特異的成分(=酸化ストレス)を計測すれば、生活習慣病などの疾病リスクが判断できるという。

 疾病リスクが高い状態であれば、医師や看護師、栄養士などがエビデンス(科学的根拠)に基づいた運動や食事療法、サプリメントなどを取り入れて、リスクを下げるための的確な指導を行う。そして、「抗酸化作用を持つビタミンや、カロテノイド類、ポリフェノールを多く含む食品やサプリメントを取り入れることで、生活習慣病の発症を予防できるのではないか」(吉川教授)という考えを示した。

 その可能性を示す1例として、強い抗酸化作用を持つ海洋性の赤い色素、アスタキサンチンが動物実験で糖尿病性腎症の発症を抑制するというデータが示された。

 また、予防的なバイオマーカーとして、現在は糖尿病、糖尿病性腎症、動脈硬化などの生活習慣病や歯周病、関節炎などの解析が進められているという。1滴の血液で体内の酸化ストレス度を測定し、疾病のリスクが判定できるチップも開発中とのことだ。

 さらに、疾病予防のための適度な運動を判断する運動マーカーや、「女性の肌の悩みであるシワのマーカーも発見できた。現在、動物実験で解析中」(吉川教授)。今後は、こうしたマーカーにより、生活習慣病予防にとどまらない、幅広い展開が期待される。

 吉川教授は、「予防医学が確立されれば、今の日本社会が抱える膨大な医療費負担などは軽減される。現代社会において、食材から十分な栄養素を摂取することは難しくなっている。その場合は、サプリメントをうまく利用すべきだ」と結んだ。(熊 介子、日経ヘルス)

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