2006.04.07

カルボキシル基を有するARBはInverse Agonistとしての作用を発揮する

 AT1受容体はアンジオテンシンII(AII)だけでなく、機械的伸展刺激を介しても活性化され、心肥大において重要な役割を担っていることが明らかになってきた。このようなAT1受容体の活性化は、バルサルタン、カンデサルタン、オルメサルタンといったinverse agonistによって抑制することができる。しかしながら、ARBのinverse agonist作用に関しては不明な点が多い。このたび、千葉大学循環器病態医科学のYasuda Noritaka氏らは、ARBがinverse agonistとして作用するためには、カルボキシル基の存在が重要であることを報告した。

 Yasuda氏らはこれまで、各種ARBのinverse agonist作用を検討してきたが、ARBのなかでも、カルボキシル基を有さないロサルタンではinverse agonist活性が弱いことから、カンデサルタン(CV)のカルボキシル基を取り除いた誘導体CV11974-7H(CV-7H)を作成し、inverse agonist活性を比較検討した。

 AT1受容体を過剰発現しているHEK293細胞は機械的伸展刺激、AIIの何れでもERKsを活性化する。これに対し、CVは両者によるERKsの活性化を抑制したが、CV-7Hは高用量の投与によってAIIによるERKsの活性化は抑制したものの、機械的伸展刺激による活性化は抑制できなかった。つまり、カルボキシル基がinverse agonist作用を獲得するための重要な要素であると考えられる。

 しかし、このようなカンデサルタンのinverse agonist作用は、AT1受容体の257のグルタミンおよび287のスレオニンの変異によってカンデサルタンとの結合能が低下し、inverse agonist作用が減弱することが確認された。

 以上の結果から、Yasuda氏は、ARBのinverse agonist活性にはカルボキシル基の存在が重要であるとともに、AT1受容体の257グルタミンと287スレオニンがカルボキシル基との結合に関与していると推察するとともに、バルサルタンやオルメサルタンにおいても同様の結果が得られる可能性を指摘した。(中野哲史、医学ライター)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 安易な食物除去はNG、湿疹の管理も忘れずに インタビュー◎「食物アレルギー診療ガイドライン」改訂のポイント FBシェア数:41
  2. 叱るのが苦手…、態度が悪い職員にどう指導? 診療所経営駆け込み寺 FBシェア数:4
  3. 「死にそうな時は何にもしなくていい」と言われてた… 患者と医師の認識ギャップ考 FBシェア数:426
  4. 人が死ぬ理由 じたばたナース FBシェア数:6
  5. 遠隔医療、ネット診療って儲かるの? 駒村和雄の「健康寿命で行こう」 FBシェア数:29
  6. 30代男性職員の母親から届いた理不尽な苦情 院長を悩ます職員トラブル大研究 FBシェア数:29
  7. 医療者を守る放射線防護の10カ条 リポート◎急がれる医療者の被曝低減策 FBシェア数:83
  8. 「管理薬剤師以外は派遣」の薬局が迎えた結末 マイルバガナム恵美の「日本とカナダの薬局見聞録」 FBシェア数:4
  9. 在宅医療のサービス提供、評価のあり方を議論 シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定 FBシェア数:67
  10. 著名病院同士が合併、病院大再編時代の幕開け 記者の眼 FBシェア数:449