2006.03.29

阪大、カイメンからHUVECsの増殖を選択的に抑制する新規アルカロイドを同定

 大阪大学大学院薬学研究科教授の小林資正氏らの研究グループは、正常ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVECs)の増殖を選択的に抑制する新規アルカロイドcortistatin類をカイメンから同定することに成功した。将来の血管新生阻害型抗がん剤になる可能性のある化合物だ。成果は3月28日から30日に仙台市で開催されている日本薬学会で研究グループの渡部康雄氏(写真)が発表した。

 研究グループは各種海洋生物の抽出エキスをヒト咽頭上皮癌細胞(KB3-1)とHUVECsに適用し、選択的にHUVECsの増殖を抑制する成分の探索を行った。その結果、インドネシア・フローレス島で採取されたカイメン「Corticiumsimplex 」のメタノール抽出エキスにHUVECsを選択的に増殖抑制する効果を見出した。抑制活性を指標にクロマトグラフィで分離、精製を行い、新しい成分を同定、cortistatin類と名づけた。

 cortistatin類は、oxabicyclo〔3.2.1〕octene構造とisoquinoline 構造を持つ新規ステロイドアルカロイドだった。cortistatin類の4成分の1つであるcortistatin A はKB3-1、Neuro2A、K562の各種培養細胞と比較して、HUVECsに対して3000倍以上の選択的増殖抑制を示した。さらにHUVECs以外の血管内皮系細胞にもやや弱いながら増殖抑制効果を示したという。また、2nMから200nM の範囲で、細胞死は起こさずにHUVECsの増殖を抑制した。さらに濃度作用曲線がTMP-470などと同様な曲線を描くことから類似の作用気序が推測されるが、cortistatin類の毒性はかなり低いという。(横山勇生)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 国が本腰「かぜに抗菌薬を使うな!」 リポート◎外来におけるかぜ患者への対応示す「手引き」登場 FBシェア数:1707
  2. 【詳報】成人肺炎診療ガイドライン2017発表 学会トピック◎第57回日本呼吸器学会学術講演会 FBシェア数:198
  3. ナースが女になる瞬間? 病院珍百景 FBシェア数:14
  4. 海外での日本人の死亡原因、最多76%が◯◯ 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:33
  5. ドタバタの延期から1年、新制度はどうなった? シリーズ◎どうなる新専門医制度 FBシェア数:113
  6. 職員を信頼し、任せすぎた院長の不覚 院長を悩ます職員トラブル大研究 FBシェア数:1
  7. 無症候性甲状腺機能低下にレボチロキシンは不要 NEJM誌から FBシェア数:1
  8. PETやSPECTの結果から認知症診断は可能か? プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:110
  9. 群大学長「今後も信頼の回復に努めていきたい」 学会トピック◎第117回日本外科学会定期学術集会 FBシェア数:53
  10. 混ぜるな危険、ロラゼパムとロフラゼプ 原崎大作の「今日の薬局業務日誌」 FBシェア数:175