2006.03.29

バルサルタンの高用量単剤投与は治療抵抗性の高齢の高血圧患者の収縮期血圧と脈圧を低下させる

 高齢者の高血圧は治療抵抗性を示す場合が多く、降圧薬の多剤併用による服薬コンプライアンスの低下を招き、JSH2004の治療目標値である140/90mmHgを達成することは難しい。岩砂病院第一循環器内科の藤澤攻氏らは、このような治療抵抗性の高血圧に対して、高用量バルサルタンの単剤投与に切り替えることによって従来薬に比べて収縮期血圧および脈圧を低下させることに成功した。

 対象は、アムロジピンとACE阻害薬またはARB標準用量の併用で収縮期血圧(SBP)140mmHg未満、拡張期血圧(DBP)90mmHg未満に管理できない65歳以上の外来高血圧患者10例(平均年齢72.9±6.0歳、男性5例、女性5例)。平均血圧は150.8±7.0mmHg/78.7±4.6mmHgだった。これらの患者にバルサルタン160mg/日1回投与に変更し、4週および8週後の血圧値、脈拍数、臨床検査値、心エコー検査値を変更前と比較検討した。

 その結果、バルサルタン単剤投与に変更後4週目には平均血圧は140.4±7.7mmHgと有意な低下が認められた(p<0.05)。一方、脈圧はバルサルタン投与に変更後4週目には平均74mmHgから64mmHgへ、8週後に65mmHgへと有意に低下した(p<0.05)。また、拡張期血圧、脈拍数、臨床検査値、心エコー検査値に関しては、投与前後で有意な変化は認められなかった。
 
 以上の結果より、バルサルタン高用量単剤投与は従来薬に比べて収縮期血圧、脈圧を低下させたことから、服薬コンプライアンスを考慮すれば、治療抵抗性高齢者高血圧に対する一つの選択肢となりうると藤澤氏は考察した。ただし、脈圧に関しては薬剤間での比較検討が十分でなく、今後の大規模臨床試験結果を待つ必要があることを付け加えた。(中野哲史、医学ライター)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 上腕に埋め込まれた「避妊の棒」を抜き取るには 小林米幸の外国人医療奮闘記 FBシェア数:104
  2. 新天地を目指すベテラン50代医師たちの事情 トレンド◎増える50歳代のキャリアチェンジ FBシェア数:8
  3. 指導医療官から「犯罪者扱い」された院長 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:0
  4. 高齢者対象の高血圧診療ガイドライン完成 NEWS FBシェア数:411
  5. いよいよ始まる「看護師による死亡確認」 トレンド◎厚労省が遠隔死亡診断のガイドライン FBシェア数:1757
  6. 80歳男性。右胸部に再発を繰り返す結節 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  7. DNARの落とし穴 Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:314
  8. 新専門医制度の来年導入に反対、1560人の署名を… 医師を中心にネットで集まり、厚生労働大臣に提出 FBシェア数:65
  9. 7カ月女児。喘鳴、活気不良、顔色不良 日経メディクイズ●小児 FBシェア数:0
  10. よく使う睡眠薬、マイスリーがシェアを拡大 NMO処方サーベイ FBシェア数:7