2006.03.28

急性心筋梗塞後の運動、糖尿病患者でも運動耐容能とHDLを改善

 急性心筋梗塞後の心臓リハビリテーションは、糖尿病患者の運動耐容能とHDLを有意に改善することがわかった。糖尿病患者でも、非糖尿病や耐糖能異常の人と同様に十分に運動のメリットがあるという。国立循環器病センター心臓血管内科の伊藤慎氏らの研究成果で、日本循環器学会で発表された。

 糖尿病患者は非糖尿病患者に比べて運動耐容能が低下しているとされる。研究グループは急性心筋梗塞を発症した268人を対象に、糖尿病群90人、耐糖能異常(IGT)群49人、非糖尿病群129人に分けて、運動前後の変化を調べた。運動前の段階では、糖尿病群は非糖尿病群や耐糖能異常群に比べて、最大心拍数と心拍数予備能が低く、運動強度、最大酸素摂取量も低かった。

 3カ月間に平均20回のリハビリテーションを行ったところ、3群とも最大酸素摂取量、有酸素運動閾値、運動強度が有意に改善した。たとえば最大酸素摂取量は、非糖尿病群では1367ml/kg/min]が約1550に、耐糖能異常群では1315が約1500に、糖尿病群では1257が約1400まで上昇し、その改善の度合いは3群とも大きな違いはなかった。

 HDLコレステロールは、非糖尿病群では平均41mg/dLが運動3カ月後では51mg/dLに、耐糖能異常群では40mg/dLから46mg/dLに、糖尿病群では38mg/dLから47mg/dLと、いずれも有意 (p<0.05)に増加していた。

 ただし糖尿病患者では、運動耐容能は3カ月間の運動で改善するが、心拍数予備能には変化がなかった。これは糖尿病や耐糖能異常の段階で、自律神経が傷害を受けているためである可能性もあると研究グループは話していた。(八倉巻尚子、医療ライター)


Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 安易な食物除去はNG、湿疹の管理も忘れずに インタビュー◎「食物アレルギー診療ガイドライン」改訂のポイント FBシェア数:41
  2. 叱るのが苦手…、態度が悪い職員にどう指導? 診療所経営駆け込み寺 FBシェア数:4
  3. 「死にそうな時は何にもしなくていい」と言われてた… 患者と医師の認識ギャップ考 FBシェア数:426
  4. 人が死ぬ理由 じたばたナース FBシェア数:6
  5. 遠隔医療、ネット診療って儲かるの? 駒村和雄の「健康寿命で行こう」 FBシェア数:29
  6. 30代男性職員の母親から届いた理不尽な苦情 院長を悩ます職員トラブル大研究 FBシェア数:29
  7. 医療者を守る放射線防護の10カ条 リポート◎急がれる医療者の被曝低減策 FBシェア数:83
  8. 「管理薬剤師以外は派遣」の薬局が迎えた結末 マイルバガナム恵美の「日本とカナダの薬局見聞録」 FBシェア数:4
  9. 在宅医療のサービス提供、評価のあり方を議論 シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定 FBシェア数:67
  10. 著名病院同士が合併、病院大再編時代の幕開け 記者の眼 FBシェア数:449