2006.03.17

再発・治療抵抗性多発性骨髄腫に対するサリドマイド投与、フェーズ2試験の結果が発表

 再発・治療抵抗性多発性骨髄腫(MM)に対してサリドマイドを投与するわが国で最初のフェーズ2臨床試験の結果が明らかにされた。日本人にとって400mgの長期継続投与は困難であること、有効性は欧米の報告と同等だが副作用は異なる傾向があることが分かった。成果は3月17日に大阪市で開催された日本臨床腫瘍学会のポスターディスカッションIで慶応義塾大学医学部の井口豊崇氏(写真)、服部豊氏、岡本真一郎氏らによって発表された。

 試験は1998年11月から2005年12月まで行われ、2004年12月以降は日本臨床血液学会によるサリドマイドの適正使用のためのガイドラインに準拠して投与が行われた。ブラジルSociedade Farmaceutic Brasifa社あるいは英Penn Pharm社製のサリドマイドを1日1回、就寝前に200mgを投与するところから始め、投与開始後1週間で重篤な有害事象が認められなければ、400mgに増量し、維持量とした。副作用の程度に応じて減量した。サリドマイドは全61症例(安全性解析対象)に投与され、有効性の解析は投与1週間以内での中止などによって評価不能だった5例をはずした56例で行った。

 その結果、有効性をMたんぱく質の25%以上減少(MR+PR+CR)で評価したところ22例(39%)で確認できた。このうち50%以上減少(PR)は12例、100%減少(nearCR)は3例だった。全体生存期間は1年が61.9%で、2年が43.5%だった。進行しない状態で生存していた期間は1年が14.4%で2年が10.3%だった。

 有害事象は61例全例に起こり、6カ月以上投与した27例中14例が400mgを継続できた。また24例は200mg以上で継続投与できた。眠気や好中球減少症は投与開始初期に多く、末梢神経障害は投与期間とともに増える傾向が確認された。50%以上の症例に認められた有害事象は、眠気、便秘が61例中38例、末梢神経障害は36例、皮疹は33例、口の渇きが34例だった。欧米で報告された深部静脈血栓症の発症はなく、グレード3以上の有害事象は22例に認められ、そのうち好中球減少が14例、血小板減少が8例だった。非血液毒性は9例あったがすべて感染症で、そのうち6例はグレード3以上の好中球減少を伴っていた。また間質性肺炎も1例確認された。(横山勇生)

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