2006.03.15

【まさかの時の医事紛争予防学】 県立大野病院医療事故調査会の報告書 事故要因は癒着胎盤の無理な剥離、対応する医師の不足、輸血対応の遅れ

 2006 年2月18日、福島県立大野病院に勤務していた産婦人科医師が、帝王切開中の大量出血で患者が死亡した事件で逮捕された。業務上過失致死罪および異状死の届出義務違反(医師法違反)の疑いだった。福島地検は3月10日に起訴。福島地裁は、3月14日に保釈とした。

 逮捕、勾留に対しては、産婦人科に限らず多くの医療関係者から批判の声が上がった。逮捕直後から「福島産科医師不当逮捕に対し陳情書を提出するホームページ」を立ち上げ、陳情活動を始めた福島県立医科大学医学部産科学婦人科学教室のグループには、3月13日までに5000人を超える署名が集まった。

 患者が死亡したのは2004年12月17日であり、実に死亡日から1年2カ月が経過してからの立件だった。検察側は医療という専門性の高い領域のため、捜査に時間が必要だったなどと説明しているようだが、なぜこの時期にという驚きとともに、刑事介入というインパクトが様々な憶測を呼びもした。

 そもそも捜査の起点となったのは、2005年3月にまとまった福島県の県立大野病院医療事故調査委員会の報告書だったようだ。これをもとに、同年3月には関係者の行政処分が行われていた。

 刑事事件としては、今後の公判の展開を待たなければならない。ここでは、県立大野病院医療事故調査委員会の報告書をもとに、事故の経緯と事故調の分析、判断をみておきたい。

 なお、事故調は委員長1人、委員2人で構成。第三者の立場から、診療部長、産婦人科部長、医療センター講師などの専門家が参加した。2005年1月13日、1月31日、2月23日の3回にわたって委員会を開催。関係者への聞き取り調査などを交え、結論を出している(詳しくは有料ネット講座「まさかの時の医事紛争予防学」で提供しています)。

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