2006.03.15

メタボリックシンドローム患者のCABG、PCI後の長期予後は不良

 順天堂大学医学部教授の代田浩之氏、講師の宮内克己氏と梶本完氏らの研究グループ冠動脈バイパス術(CABG)を受けた患者で、メタボリックシンドロームに罹っていた患者はメタボリックシンドロームに罹っていなかった患者に比べて長期間の死亡率が高いことを明らかにした。10年以上の長期間の経過観察で、メタボリックシンドロームとCABG後の予後の悪さを示した結果は世界で初めてだという。成果は3月11日から14日に米国アトランタで開催された米国心臓学会で発表された。

 研究グループは1984年1月から1992年12月までに順天堂大学でCABGを受けた1222人の患者を対象に、Modified The National Cholesterol Education Panel III (NCEP ATPIII)定義に基づいて患者を分類し、全体の死亡率と循環器系の死亡率について調べた。Modified NCEP ATPIII定義によるメタボリックシンドロームの判定では胴囲の代わりに肥満の指標としてBMIが25以上を利用した。その結果、CABGを受けた際にメタボリックシンドロームであった562人、メタボリックシンドロームではなかった652人を対象に平均で10.5±3.6追跡を行い、多変量Cox比例ハザード回帰分析を行った。

 その結果、全体の死亡率でハザード比1.30、循環器系死でハザード比1.62で、どちらも有意にメタボリックシンドローム群の方が予後が悪いことが明らかとなった。


PCI後の心血管イベント発生のリスクも高い
 代田氏、宮内氏と葛西隆敏氏らの研究グループは経皮冠動脈インターベンション(PCI)を受けた患者で、メタボリックシンドロームに罹っていた患者はメタボリックシンドロームに罹っていなかった患者に比べて長期間の心血管系イベントの発生率が高いことを明らかにした。また、メタボリックシンドロームの有無は糖尿病の有無に関わらず独立した危険因子であることを確認した。長期間の経過観察で、メタボリックシンドロームとPCI後の予後の悪さを示した結果は日本で初めてだという。

 研究グループは1984年1月から1992年12月までに順天堂大学でPCIを受けた748人の患者を対象に、修飾The National Cholesterol Education Panel III (NCEP ATP III)定義に基づいてメタボリックシンドロームの有無と糖尿病合併の有無によって患者を4群分け、2002年9月までの心血管系イベントの発生率を調べた。修飾NCEP ATP III定義によるメタボリックシンドロームの判定では、胴囲の代わりに肥満の指標としてBMIが25以上を利用した。

 PCIを受けた際にメタボリックシンドロームで糖尿病であった189人、メタボリックシンドロームであったが糖尿病ではなかった129人、メタボリックシンドロームも糖尿病もなかった321人、メタボリックシンドロームではなかったが糖尿病があった109人を対象に多変量Cox比例ハザード回帰分析を行った。

 その結果、メタボリックシンドロームで糖尿病であった群でハザード比1.87、メタボリックシンドロームで糖尿病でなかった群でもハザード比2.14で、糖尿病の有無に関係なくメタボリックシンドロームがあるとPCI後の心血管発生リスクが高いことが明らかとなった。(横山勇生)

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