2006.03.14

アゼルバイジャンで10人が観察下に H5N1亜型トリインフルエンザウイルス感染の可能性

 世界保健機関(WHO)から気になる情報がもたらされた。カスピ海西方沿岸に位置する南コーカサス諸国の1つであるアゼルバイジャン共和国で、10人がH5N1亜型トリインフルエンザウイルスの感染の可能性があるとして保健当局の観察下にあるというものだ。3月10日付けでWHOが発表している。

 発表によると、アゼルバイジャン保健省は3月初旬から10人をH5N1亜型鳥インフルエンザウイルスの感染の可能性があるとして観察下に置いている。彼らは全員、同国東部のSalyan地区にあるDaikyand集落に住んでいるという。

 Salyan地区は渡り鳥が訪れる湿地帯の近くに位置している。また、Daikyand集落においては最近家禽の死亡が報告されている(死亡の原因はまだ特定されていない)。その後、近所同士の若い女性2人が1週間のうちに相次いで死亡。当局による調査が開始された。

 第1例目は2月23日に死亡した17歳の女性。この症例は、腫瘍疾患に関連する呼吸器症状を1年以上も患っていた。現在、この女性の死亡は、以前からあったこの疾患に起因するものであるとみなされている。

 第2例目は20歳の女性で、3月3日に死亡した。この症例は急速に進行する急性肺炎により死亡したが、H5N1感染の多くの症例に特徴的な所見だったという。

 第2例目の死亡の直後に、同国の保健省は4つの病院スタッフからなるチームを編成。各戸を巡回する調査を行ない、呼吸器症状や発熱のある人がいるかどうかを調査した。その結果、さらに8人が観察目的での入院となった。そのうち6人は軽い症状のみだった。これらの人々は完全に回復し今では退院しているという。

 ただし、残り2人のうち1人(17歳女性)は3月8日に死亡。もう1人の16歳の男性は入院中で、隔離されており、容態は重体だという。

 高病原性H5N1亜型鳥インフルエンザは2月9日に、首都バクー近郊の沿岸地域で発見された野鳥で初めて確認された。2月24日には、アゼルバイジャンは、Khyzy(北東部)とBilasuvar(Salyan の近く)の農場において家禽から感染を検出したと発表していた。そのため、約30万羽が殺処分されたという。

 WHOのニュースリリースはこちら。(三和護、医療局編集委員)

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