2006.03.14

【ACC2006速報】抗血小板薬の併用療法、アテローム血栓症の1次予防に推奨できず CHARISMAスタディの結果発表

 糖尿病や高血圧症など、アテローム血栓症の発症危険因子を持つ患者に対して、抗血小板薬であるアスピリンとクロピドグレルを併用しても、その1次予防効果はアスピリン単剤投与時と変わらず、出血や死亡のリスクがむしろ増すことが分かった。アトランタで開催中の第55回米国心臓病学会(ACC)で3月12日、米クリーブランド・クリニック循環器統括センター副所長のDeepak L. Bhatt氏が発表したCHARISMA(the Clopidogrel for High Atherothrombotic Risk and Ischemic Stabilization, Management, and Avoidance)試験の研究成果で明らかになった。

 CHARISMA試験は32カ国の計1万5603人(平均年齢64.9歳)を登録して行われた大規模スタディ。アテローム血栓症の既往者に加え、既往はないものの同症の発症危険因子を複数持っている患者(マルチプルリスク保持者)も対象としている点が大きな特徴だ。これらの患者を、低用量アスピリン(72〜165mg/日)とクロピドグレル(75mg/日)の併用群(クロピドグレル群)、低用量アスピリンとプラセボ併用群(プラセボ群)に無作為に割り付け、主要エンドポイント(心臓発作、脳卒中、心血管死)の発生率について比較した(追跡期間中央値:28カ月)。

 その結果、主要エンドポイントの発生率はプラセボ群7.3%、クロピドグレル群6.8%と、有意差はなかった(p=0.22)。ただし、既往者(1万2153人)に限って解析すると、プラセボ群で7.9%だったのに対しクロピドグレル群では6.9%と有意に低かった(p=0.046)。一方、マルチプルリスク保持者(3284人)では有意差がみられなかっただけでなく、重篤な出血や死亡を引き起こす可能性も示唆された。

 現在、心血管疾患のハイリスク者に対しては低用量アスピリンの投与が推奨されているが、その1次予防効果は十分とは言えない。CHARISMA試験ではクロピドグレルの追加によってさらなる予防効果を狙っていたが、今回の結果から「イベント既往のない患者に対する抗血小板薬の併用療法は勧められない」とBhatt氏は結論付けた。(井田恭子、日経メディカル)


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