2006.03.10

【裁かれたカルテ】子宮内発育遅延で後遺症、高度医療機関への転送義務に違反

 子宮内発育遅延と診断された胎児が、経膣分べんによる出産後に精神遅滞などの後遺症が生じてしまった。原告らは、医師が分べん前および分べん時の管理義務に違反し、さらには高度医療機関に転送すべき義務があったのにこれを怠ったなどとし、2億円余の損害賠償を求め提訴した。裁判所はこの1月、被告医師の転送義務違反を認め、550万円の支払いを命じる判決を下した(控訴審で係争中)。

 被告は、病院や老人保健施設を経営する医療法人社団で、被告総合病院を開設し運営している。原告は、Aさん夫婦の長男として、1994年5月に、被告総合病院で出生した。

 Aさんは、1993年8月、実家の近くにあった被告病院で初めて診察を受け、分べん予定日が1994年4月X日と告げられた。その時、切迫流産の恐れがあるとして、入院、加療を受けた。

 その後は、特に問題もなく推移。当初は1か月に1回、1994年2月に2回、同年3月には4回の割合で、被告病院で定期的に診察を受けた。しかし、1994年3月X日の診察の際に、Aさんは原告の発育が遅れているとの指摘を受けた。

 1994年4月に数回診察を受けたAさんだが、予定日を過ぎても出産の兆候がなかった。このため、心配になったAさんは、診察した医師に尋ねた。これに対し同医師は「大丈夫心配ない」「予定日に生まれる方が少ないのだから」などと述べた(詳しくは有料ネット講座「まさかの時の医事紛争予防学」で提供しています)。

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