2006.02.18

G−CSFが直接神経細胞に作用して脳卒中から回復させる可能性が指摘、フェーズ2がドイツで実施中

 がん化学療法後の白血球増殖などに利用される顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)に神経再生作用があり、脳虚血後の長期間の機能回復に働く可能性があることが示された。ドイツAxaron社はAX-200の開発コード名で脳卒中患者を対象にフェーズ2a臨床試験を2004年12月から行っている。米国Kissimmeeで開催された国際脳卒中会議の2月16日のポスターセッションと2月17日の口演でAxorn社と共同研究するドイツMunster大学のWolf R Schabitz氏(写真)が発表した。

 フェーズ2a臨床試験は42人の患者を対象に体重1kgあたり30μg、90μg、135μg、180μgの4群に分けてAX-200を3日間かけて連続的に静脈内投与する方式でドイツ国内の10カ所の施設で行われている。Schabitz氏によると30μgががん化学療法の際に使われる量だとしており、かなりの量を投与することになる。有効性の評価は退院後4週目と3カ月目のNIHSS、mRS、BIによる神経学的な評価とMRIによる3カ月目の虚血部位の広がりで調べる。2005年11月時点で患者の半数の登録が終了しており、2006年半ばには患者登録が終了する見込みだ。国際的なフェーズ2b試験を2006年末に検討しているという。

 研究グループは、口演で、急性脳卒中モデルを用いた実験でG-CSFが血液脳関門を通過し、神経保護効果を示したことを発表した。また、研究グループは、G-CSFの受容体は成人の神経幹細胞に発現していることをin vitroとin vivoの実験で確認した。さらに、G-CSFがin vitroの実験で強い神経分化作用を有することを確認、in vivoの実験で脳虚血後で長期間の運動能の改善効果が得られることも確認した。Schabitz氏はin vivoの回復効果はG-CSFが直接神経幹細胞に作用して起きていると強調した。(横山勇生)

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