2006.02.17

脳卒中発作後24時間以内の最高体温が高いと、発作後30日の死亡リスクが有意に高まる

 脳卒中の発作から24時間以内の最高体温が高いほど、発作後30日の死亡リスクが有意に高くなることが分かった。米国のColumbia-Presbyterian医療センターのRichard E Temes氏(写真)らが2月16日、セッション「Community/Risk Factors」で発表した。

 研究グループは、脳卒中後の早期死亡を予測する因子として体温も候補になると考え、調査を行った。脳卒中コホート研究で知られるNorthern Manhattan Study(NOMAS、注)の一部として取り組んだもので、NOMASで1993年7月から1996年12月までに登録があった脳卒中症例を対象にした。発作があってから24時間以内に入院した症例を対象に、入院初日の体温の変化を調べ、発作後30日の死亡率(オッズ比、95%信頼区間)と入院初日の最高体温との関連性をロジスティック回帰分析により明らかにした。

 分析の対象となったのは337例。女性が58%で、白人19%、黒人24%、ヒスパニック57%の構成だった。平均年齢は70±12歳。発作後30日の段階で、22例が死亡していた。

 調査の結果、入院1日目の平均最高体温は華氏99.0度(最低が96.0度、最高が104.4度、中央値が98.8度)だった。そのうち、入院初日の最高体温が華氏99.4度以上のグループ(上位4分位)では、発作後30日の死亡率が有意に高いことが分かった。最高体温が華氏99.4度以上のグループの死亡率は12.1%で、華氏99.4度未満のグループの死亡率は4.4%だった(p=0.013)。

 年齢調整後のロジスティック回帰分析によると、入院初日の最高体温が高いと、発作後30日時点の死亡リスクを有意に高めることが明らかになった (オッズ比は体温華氏当たり2.2、95%信頼区間1.5-3.1、p<0.0001)。また、年齢や性別、脳卒中重症度スケール(NIH Stroke Scale、NIHSS)などで調整した多変量解析の結果でも、入院初日の最高体温は、発作後30日の死亡リスクと関連性があった(オッズ比1.7、95%信頼区間1.2-2.5、p=0.003)。

 なお、NIHSSが13未満と13以上のグループに2層化し比較したところ、前者のグループでは、入院初日の最高体温は発作後30日の死亡リスクを高めていた(調整オッズ比2.2、95%信頼区間1.1-4.1、p=0.02)。一方、後者のグループでは、調整オッズ比は1.5(95%信頼区間1.0-2.3、p=0.06)で重症度で違いがあった。

 これらの結果から研究グループは、「脳卒中発作24時間以内の最高体温は、脳卒中後の早期死亡を予測する因子になりうる」と結論づけた。(三和護、医療局編集委員)

(注)Northern Manhattan Study
 米国の代表的なコホート研究の1つ。1993年から登録が始まった55歳以上の地域住民を対象とした前向きの研究で、2001年までに3298人の登録があった(脳卒中の既往例は除く)。平均年齢は69±10歳。女性の比率が63%と高く、また、白人21%、黒人25%、ラテン・アメリカ系54%という割合になっている。1997年からは毎年フォローアップスタディが進んでいる。

(訂正)記事中、「平均体温」と記述しましたが「最高体温」の間違いでした。訂正します。

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