2006.02.17

脳梗塞に関連する8遺伝子上の14個のSNPを同定

  国立国際医療センター研究所遺伝子診断治療開発研究部長の加藤規弘氏(写真)らの研究グループは、島根大学と共同で患者の大規模遺伝子解析を行い、脳梗塞に関連する8個の遺伝子上に存在する14個の1塩基多型(SNP)を同定したことを明らかにした。わが国で大規模解析によって脳梗塞に関連したSNPが同定されたのはこれが初めてになる。脳梗塞の予防や脳梗塞の発症機構解明につながる結果だ。成果は2月16日に米国で開催された国際脳卒中会議のポスターセッションで発表された。

 加藤氏らは1001人(無症候性脳梗塞(SBI)患者320人、有症候性皮質下梗塞(SSI)患者184人、対照群497人)を対象に遺伝子の解析を行った。まずインスリン抵抗性、脂質代謝関連25遺伝子、酸化ストレス、炎症関連15遺伝子、血液凝固などの25遺伝子、神経・液性因子40遺伝子、イオンチャンネル14遺伝子、レニン・アンジオテンシン系、カリクレイン・キニン系の11遺伝子のすべてのエクソン、5'UTR領域、3'UTR領域、プロモーター領域について48検体で全塩基配列を調べ、候補となる598個のSNPを選択した。

 次に1次スクリーニングとして、SBI患者約280人、対照群約480人について598個のSNPを解析したところ、66個が関係のあるSNPとして抽出された。さらにSBI患者320人、SSI患者184人、対照群497人で2次スクリーニングを行ったところ脳梗塞に関連した8個の遺伝子、14個のSNPの同定に成功した。同定されたSNPの中にはアイスランドのグループが脳梗塞との関連を指摘した遺伝子フォスフォジエステラーゼ4D(PDE4D)遺伝子上のSNPや低比重リポたんぱく質受容体上のSNPが含まれていた。ただしPDE4D上のSNPは、アイスランドのグループが報告したSNPとは異なるという。

 なお、加藤氏らは、末梢血リンパ球を用いて高齢でも画像診断で全く症状の現れない人と脳梗塞の人の遺伝子発現解析による全く新しい遺伝子多型の探索も進めている。(横山勇生)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. まずLAMAから?それともLABAから? プライマリケア医のための喘息・COPD入門 FBシェア数:129
  2. なぜ、われわれは手洗いをしないのか?(その2) 忽那賢志の「感染症相談室」 FBシェア数:57
  3. NCDで変わり始めた外科手術 リポート◎登録開始から5年、800万を超える外科症例データが集積 FBシェア数:35
  4. 抗体を持つ研修医が発症した「修飾麻疹」とは? パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:282
  5. 81歳男性。側腹部の膨隆 日経メディクイズ●救急
  6. 地域枠義務放棄の医師採用は研修補助金を減額 臨床研修病院はマッチング時に「地域枠医師」かどうかの確認を FBシェア数:221
  7. 63歳女性。手指と足首の痛みを伴う皮疹 日経メディクイズ●皮膚
  8. 国主導の『抗微生物薬適正使用の手引き』公表へ 厚生科学審議会感染症部会で了承 FBシェア数:87
  9. 13歳女児。繰り返す嘔吐 日経メディクイズ●小児
  10. 今年の大学医学部入試の問題から(その1) 松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」 FBシェア数:1