2006.02.17

80歳以上の急性脳卒中患者にもTPAが有効

 80歳以上の高齢者の急性脳卒中患者に対しても、血栓溶解剤である組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)による早期治療が安全かつ有効であることが明らかになった。高齢者の脳卒中患者は増加しているにも関わらず、80歳以上の患者は臨床試験からしばしば排除されるため、安全性と有効性に関するデータが少なかった。米Connecticut大学のグループの後ろ向き研究によって安全性と有効性が報告された。成果は、米国フロリダ州キシミーで開催された国際脳卒中会議の一般口演で2月16日、Connecticut大学のNeer Zeevi氏(写真)らによって発表された。

 研究グループは2003年4月から2005年12月までに脳卒中センターのデータベースに登録された80歳以上の患者341人と、80歳未満の患者690人のデータを比較した。その結果、80歳以上の患者の方がTPAの投与を受けている率が低く、それは発症後3時間以内に到着できなかったことによるわけではなかった(到着できた率は80歳以上で29%、80歳未満で26%)。除外範囲としてリストされていない理由によってTPA治療を受けられない率が80歳以上の方が高いという結果だった(80歳以上で30%強、80歳未満で20%弱)。性別でみると80歳以上の女性でTPAを受けられない場合が多かった。Zeevi氏は家庭環境などによるものと推測していた。

 また、患者のNIH stroke scaleは80歳以上で入院時に12.4が退院時に6.8、80歳未満で13.5が5.8とTPAの臨床効果は両群に見られたが、改善効果は80歳未満群の方がややよかった。3カ月目の時点で別の脳卒中の指標であるBarthel Indexは80歳未満群と80歳以上群に有意な差はなく改善効果が確認された。80歳以上群でTPAの投与後、脳内出血のリスクの増加はなかった。病院内での死亡率は80歳以上群の方が高い結果となったが、その死亡率はTPA非治療群と同等だった。(横山勇生)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医師のあこがれ? 「ブラックカード」の魅力 Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:1
  2. 70歳代男性。残尿感 日経メディクイズ●腹部エコー FBシェア数:2
  3. 山梨市長逮捕で「医学部裏口入学」を考える 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:37
  4. 女子マネ死亡…AEDを巡る論争に言いたいこと 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:710
  5. インスリンの2回打ちって、もう古い? シリーズ◎岩岡秀明の糖尿病よろず相談所【藤沼康樹編】 FBシェア数:104
  6. 特集「『説明したのに敗訴』のなぜ」が生まれたわけ 編集会議 on the Web FBシェア数:124
  7. 起立性低血圧は立って1分以内に測定すべき JAMA Internal Med誌から FBシェア数:108
  8. 急激な腎機能低下を一過性と侮るな トレンド◎急性腎障害(AKI)診療ガイドライン発行 FBシェア数:156
  9. 「説明を尽くしたのに敗訴」のなぜ 特集◎医療訴訟の落とし穴《動向編》 FBシェア数:511
  10. 医局に入ったら生涯収入が減るものと覚悟せよ Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:161