2006.02.13

【日本消化管学会速報】ピロリ除菌はEMR後の胃がん再発予防に「効果なし」

 これまで、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)の陽性者では、早期胃がんに対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)後、除菌を行うと胃がんの再発が抑制されると考えられていた。

 しかし、EMR後、2年以上経過観察した症例を検討したところ、除菌の有無による再発率に有意差はみられなかった。名古屋市立大学臨床機能内科の片岡洋望氏の研究成果で、第2回日本消化管学会で2月11日に発表された。

 これは、1991〜2002年の間、名古屋市立大学と磐田市立総合病院で実施したEMR125例のうち、2年以上経過観察できた66例(男性49例、女性17例、平均年齢66.3歳)を対象としたもの。ただし、1年以内に再発した症例は除いた。平均観察期間は57カ月だった。

 除菌群は21例、非除菌群は45例で、再発率は除菌群1例(4.8%)、非除菌群4例(8.9%)と、非除菌群の方が多かったものの、有意差はなかった(p=0.55)。初発がんと同部位での再発が多い傾向はあったが、特に部位による違いはみられなかった。

 さらに、この5例の粘膜状態を形質発現マーカーを用いて検討したところ、初発時は胃型がんが約7割を占めたのに対し、再発時には5割が腸型がんであることが分かった。

 これについて片岡氏は、胃型よりも腸型の方が成長が遅いとの報告があることを挙げた上で、「初発時の胃型がんを治療する際に、腸型がんに気づかなかった可能性も考えられる。現在われわれが思っているよりも、多発性のがんは多いのかもしれない」と推測していた。(小又理恵子)


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