2006.02.12

【日本消化管学会速報】便中ピロリ抗原迅速検査キットの有用性確認、小児に使いやすい手法

 大阪大学大学院保健学専攻教授の川野淳氏、同臨床検査技師の朝日佳代子氏らのグループは、非侵襲的なヘリコバクターピロリ(HP)感染診断法として開発された便中HP抗原迅速検査キットの性能比較評価を行い、同キットの有用性を確認した。HP感染診断法の選択肢の1つとして、特に子供や高度障害などで呼気試験が難しい場合に、使いやすい手法だという。研究成果は2月11、12日に東京・新宿で開催された日本消化管学会で報告された。

 各種のHP感染診断法の中で、尿素呼気試験は非侵襲的かつ簡便であるため、広く利用されているが、呼気採取がうまくできない場合は正確な判定が難しい。今回、同グループが評価したのは、糞便中のヘリコバクターピロリ抗原(未変性カタラーゼ)に特異的に反応するモノクローナル抗体を用いた、イムノクロマトグラフィー法(EIA)を原理とする「テストメイト ラピッド ピロリ抗原」(開発:わかもと製薬、販売:日本ベクトン・ディッキンソン、2004年8月保険適用=160点)。

 評価の結果、同キットは再現性、希釈直線性に優れ、またポリクローナル抗体を用いた他のキットに比べて陰性、陽性の判定が容易で、判定保留域の設定が不要であることが明らかになった。また、健常者30人を対象として、同キットと尿素呼気試験との相関を検討した結果、両者の一致率は100%だった。

 「最近、HPの感染は5歳で成立しているという知見が報告されるなど、小児のHP感染が注目されている。小児にとって、便中で迅速に診断できる手法は有用だ。また、人間ドックなどで行われる便を用いた検査の項目に加えることも可能だろう。ただし、便秘の人にとっては、便を用いた検査はストレスになる。臨床の現場では、患者の状況に応じて最適な方法を選ぶべきだろう」と朝日氏は述べていた。(佐原加奈子)

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