2006.02.10

FDAがトラジロールの冠動脈バイパス術での使用に注意勧告、腎不全や心筋梗塞などのリスク増の可能性

 米国食品医薬品局(FDA)は2月8日、トラジオール(成分名:アプロチニン)の冠動脈バイパス術における使用について、充分に効用とリスクを考慮した上で実施するよう、注意を喚起した。これまでにNew England Journal of Medicine(NEJM)誌などで発表された2つの論文で、トラジオールを使用することで、腎不全や心筋梗塞、脳卒中の発症リスクが増加する可能性があるとする研究成果を受けたもの。FDAでは、トラジオール使用に関するリスクについては、現在、徹底した評価を行っている最中で、さらなる措置が必要かどうかについても検討中だとしている。

 NEJM誌に発表された研究結果では、冠動脈バイパス術を受けた人のうち、トラジオールを投与した群で、それ以外の群に比べ、腎不全や心筋梗塞、脳卒中のリスクが高率にみられたという。また、Transfusion誌に発表された研究結果では、トラジオールを投与した群で、それ以外の方法で出血予防をした群に比べ、より多くの腎機能低下が見られたとしている。

 現在、FDAが冠動脈バイパス術中の出血や輸血予防の目的で承認している薬剤は、トラジオールのみだという。FDAでは冠動脈バイパス術の際のトラジオール使用について、(1)トラジオールを投与した場合には、腎臓や心臓、中枢神経系への毒性については、特に注意深くモニターすること、(2)術中の出血を減らすことが、その患者にとって不可欠であり、その効用が潜在的リスクを上回ると考えられる人に対してのみ使用すること――などといった勧告を出している。

 トラジオールの製造元は、米Bayer社(ペンシルベニア州Pittsburgh)。詳しくは、FDAのプレスリリースまで。(當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 「四国の真ん中」の病院に医師が続々集まる理由 記者リポート FBシェア数:150
  2. 他の裁判より難しい医療訴訟、1点を除いては… 裁判官が語る医療訴訟の実像 FBシェア数:27
  3. FFR-CTの導入で冠動脈造影が減り医療費も削減 学会トピック◎第82回日本循環器学会学術集会 FBシェア数:190
  4. 「医療機関で麻疹拡散」は何としても防ぎたい パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:101
  5. 「入院は嫌」94歳患者に肝膿瘍が生じたら… 新田國夫の「直伝・高齢者診療の極意」 FBシェア数:37
  6. セレコックスが増えたのは薬剤師のせい!? セキララ告白!個別指導 FBシェア数:55
  7. OD錠のODって何の略? クスリの名前 探検隊 FBシェア数:66
  8. 切除不能膵癌のconversion surger… 日経メディカルOncologyリポート FBシェア数:10
  9. ゲノムに基づく戦略に進化した肺癌診療 特集◎癌ゲノム医療がやって来る《1》 FBシェア数:21
  10. 高強度スタチン治療で末梢動脈疾患の転帰改善 Circulation誌から FBシェア数:34
医師と医学研究者におすすめの英文校正