2006.02.08

観察さえ難しかった小腸疾患の治療が可能に ダブルバルーン内視鏡開発者による治療手技を動画で紹介

 ダブルバルーン内視鏡は、小腸全域の観察と内視鏡的治療を実現しました。ここでは、ダブルバルーン内視鏡の考案者である自治医科大学助教授の山本博徳氏が、2005年11月にホノルルで開催された第70回米国消化器病学会(ACG)のシンポジウムで紹介したダブルバルーン内視鏡の治療手技を、動画と静止画でご紹介します。

 2003年から市販されているダブルバルーン内視鏡は、小腸全域を自在に往復観察できるうえ、従来の内視鏡で行われてきた治療の多くを、小腸領域でも行えるのが大きな特徴だ。

 小腸領域に対応した内視鏡としては、ダブルバルーン内視鏡のほか、患者への負担が非常に少なく、自然な状態で小腸を観察できるカプセル内視鏡が、日本でも今、一部の施設で臨床使用され始めている。しかし、現行のカプセル内視鏡の機能は観察に限られ、生検や治療は実施できない。

 これに対し、ダブルバルーン内視鏡は先端に2.8mm(細径タイプでは2.2mm)の鉗子口があり、これまでの上部内視鏡、下部内視鏡と同じように生検や治療が可能だ。ダブルバルーン内視鏡を考案した自治医科大学消化器内科助教授の山本博徳氏は、「従来の内視鏡に比べて操作性に優れているため、内視鏡先端が安定しにくい深部小腸でも、正確な生検や治療ができる」と話す。

 ダブルバルーン内視鏡は、スコープとそれを覆う軟らかいオーバーチューブから構成され、両方の先端にラテックス製のバルーンが付いている。両バルーンを交互に膨張・収縮させて、スコープとオーバーチューブを腸管内の任意の位置に固定する。固定された位置を内視鏡コントロールの支点にできるため、操作性が保たれる。また、腸管をたぐり寄せる操作が可能で、挿入困難の大きな原因である腸管の伸展を防ぐこともできる。(小又理恵子)



●動画(画像をクリックすると、動画がみられます)
動画1:焼灼とクリップによる止血術
小腸Angiodysplasiaによる活動性出血を確認、焼灼術の後、クリップで止血を行う
動画2:バルーン拡張術
クローン病による小腸狭窄に対し、バルーン拡張術を行う
動画3:ポリペクトミー
Peutz-Jeghers症候群の多発性ポリープに対し、ポリペクトミーによる摘除を行う



写真1 ステント留置術

空腸がんによる全周性狭窄に対し、金属製の食道用ステントを留置(写真左)、5日後に行った検査でステントの開存を確認(写真右



写真2 異物除去(義歯)

誤飲により、腸管に癒着した義歯を確認、鉗子等で慎重に剥離を進める(写真左)、取り出された義歯(写真右


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