2006.02.06

近畿中央胸部疾患センター、結核ワクチンがサルで効果、GMPグレードの製剤で試験中

 近畿中央胸部疾患センターの岡田全司(写真)らの研究グループは、HVJリポソームベクターに結核菌の熱ショックたんぱく質65(HSP65)のDNAとインターロイキン12(IL12)のDNAを封入した結核ワクチンを開発、カニクイザルで感染防御効果を確認した。現在、GMPレベルで製造したHSP65DNA、IL12DNAを封入したHVJエンベロープ・ベクターを用いてカニクイザルで感染防御試験を行っている。BCGは成人には有効でないため、成人に効果のある結核ワクチンが求められている。岡田氏らが開発したワクチンはその有力候補となる。成果は2月3日に大阪府豊中市で開催された第4回遺伝子治療国際シンポジウムで発表された。
 
 HVJリポソームベクターは、センダイ・ウイルス(HVJ)のゲノムRNAを取り去った空のウイルス粒子に、プラスミドDNA、アンチセンスDNA,、そして蛋白などを包み込み、細胞にまぶすことによって、細胞内に導入させるもの。HSP65、IL12のDNAを封入したワクチンは、マウスを用いた実験で、BCGよりも100倍強いワクチン効果を示した。また、モルモットを用いた実験でも有効性を示した。

 カニクイザルを用いた実験では、3週間置きに3回ワクチンを接種し4週間置いて結核菌を5×102個投与し、1年間追跡調査を行った。その結果対照群が約240日目で4頭とも死亡したのに対し、ワクチン投与群では4頭中2頭が400日以上生存することができた。リンパ球の増殖反応や体重増加も確認できた。さらにBCGでワクチンしてからHVJリポソームを利用したワクチンを接種したところ、HVJリポソームを利用したワクチンを単独投与するよりも効果が高く350日目でも100%生存させることができた。

 また、岡田氏らは組み換えBCGワクチンの開発も行っている。(横山勇生)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. ついに登場!希釈式自己血輸血 リポート◎自己血輸血に3つ目の柱、手術当日でも可能な新手法 FBシェア数:312
  2. どこまで減らせる?アルブミン製剤 リポート◎「アルブミン消費大国」の汚名は返上したが… FBシェア数:22
  3. 高血圧合併例の利尿薬をSGLT2阻害薬に変更 学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 FBシェア数:139
  4. 患者応対を改善させる「マジックフレーズ」 榊原陽子のクリニック覆面調査ルポ FBシェア数:2
  5. 患者が増えない… 院長が突き止めた原因とは 診療所経営駆け込み寺 FBシェア数:1
  6. なぜ肺炎ガイドラインに「治療しない」選択肢を盛り… ガイドライン作成委員を務めた大阪大学感染制御学教授の朝野和典氏に聞く FBシェア数:502
  7. 100歳目前の認知症患者に輸血を行うか はちきんナースの「看護のダイヤを探そう!」 FBシェア数:13
  8. 高齢者救急の現場で思う「長生きは幸福か」 木川英の「救急クリニック24時」 FBシェア数:174
  9. いつまでも症状が長引く感染性腸炎の正体 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:161
  10. 医療事故調センター「再発防止策」に厳しい声 記者の眼 FBシェア数:27