2006.02.01

自治医大、わが国初のパーキンソン病を対象にした遺伝子治療を申請

 わが国で初めてのパーキンソン病を対象にした遺伝子治療研究の実施計画の申請が行われた。自治医科大学附属病院が行ったもので、2月1日に開催された厚生科学審議会科学技術部会で公表されたものだ。また、同部会では北里大学病院の前立腺がんを対象にした遺伝子治療臨床研究の実施計画が申請されたことも公表され、わが国で実施または申請された遺伝子治療研究は21件となった。両計画とも今後、厚生科学審議会遺伝子治療臨床研究作業部会で検討されることになる。

 自治医科大学附属病院が申請した遺伝子治療研究は、進行したパーキンソン病患者の線条体(被殻)に芳香族Lアミノ酸脱炭酸酵素(AADC)遺伝子を組み込んだ2型アデノ随伴ウイルスベクターを定位脳手術的に4カ所注入するもの。AADCはL-DOPAをドパミンに変換する酵素であり、治療を受けた患者が経口投与されたL-DOPAでドパミン産生を促進させ、症状の改善が期待できるものだ。2型アデノ随伴ウイルスは神経細胞への特異性が高いことが明らかにされている。ウイルスベクターの供給元は米Avigen社。対象患者は9症例の予定で、注入するウイルス量は3群を予定している。第1群での注入量(vector genomes:vg)は1症例あたり3×1011vg、第2群は9×1011vg、第3群は第1群と第2群の安全性評価、治療効果に応じて用量を調整する予定だ。

 北里大学病院が申請した遺伝子治療研究は、単独治療では治療後に再発する可能性が高い限局性前立腺がん患者に、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSV-tk)遺伝子を導入したアデノウイルスベクターを前立腺に投与するもの。患者はガンシクロビルの全身投与を受け、HSV-tkによってガンシクロビルが活性化されがん細胞を死滅させる。その後、この治療を反復して行ったあと、根治的前立腺摘除した場合の安全性の確認が試験の主な目的。使用されるベクターはがん原性のないアデノウイルス5型を基に、米Baylor医科大学によって生産される。HSV-tk発現アデノウイルスベクターの投与量は1010PFU。(横山勇生)

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