2006.01.24

糖尿病合併症のリスク診断が始まる、東洋紡のDNAチップ技術を活用

 大阪大学大学院医学研究科の山崎義光助教授が設立したベンチャー企業であるサインポストは2006年2月から糖尿病合併症のリスク診断を開始する。東洋紡が開発に成功したDNAチップを用いて複数の1塩基多型を高精度に検出する方法を利用して行うものだ。

 東洋紡が開発した方法は、NAP(Nuclease Activated Probe) ligation法とDNAチップによる検出を組み合わせたもの。NAP ligation法は検出したいSNPよりも前に結合しSNP側の端に余分な1塩基が結合してある共通プローブと、蛍光色素で標識した末端でSNPに対合するアレル特異プローブを利用する。共通プローブは末端にリン酸基がないために、そのままではリガーゼによって結合することはない。

 共通プローブとSNPに対合するアレル特異プローブが標的核酸に結合した状態でポリメラーゼを添加すると、5’エキソヌクレアーゼ反応によって共通プローブの末端にあった余分な塩基が削られリン酸基が露出する。次にリガーゼを加えると初めて共通プローブとアレル特異プローブが結合したプローブが出来上がる。SNPに対合するアレル特異プローブは検出する塩基によって標識する色素を変えておけば複数のSNPに対応した結合プローブを得ることができる。

 DNAチップ上にはどちらのSNPでも検出できるミックスプローブを固定、色の違いによってSNPの型判別が容易にできる。固定した捕捉プローブは遺伝子を特定すればよいため、厳密な特異性は必要と

 従来、特定のSNPに対応するプローブをリガーゼで結合させることでSNPの判別をしようとする試みはなされているが、非特異的な結合反応が起きてしまう問題点があった。特に同時に多数のSNPを検出する場合に非特異反応の問題があった。

 東洋紡が開発したシステムは、数mm四方内で100個のSNPを検出するDNAチップに応用したところ、精度が99%以上を達成することができたという。また測定時間も7.2時間以下と短い。また、PCR反応を行ったあとにNAP ligation反応液を加え、DNAチップで測定するだけですむ。東洋紡バイオフロンティアプロジェクト推進室の宝田裕主幹(写真)は、「20から30以上のSNPを検出する場合にはNAP ligation法が有効」と話しており、糖尿病関連以外のSNP検出への応用を期待している。(横山勇生)
 

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