2006.01.20

酸っぱいものを甘く感じさせるタブレットが誕生 ミラクルフルーツを利用、糖尿病の食事療法にも活用

 果肉を舌にのせて1分間ほど転がすと、酸っぱいものを食べても甘いと感じる果実が、ミラクルフルーツ。愛知県知多市の味覚修飾植物研究家の島村光治氏は、台湾の園芸企業と共同開発でミラクルフルーツのタブレット化に成功した。1月15日から大西克商会(大阪府寝屋川市)が「ミラクルフルーツタブレット」(10錠、3990円ほか)として販売を始めた。

 ミラクルフルーツとは、1〜2cmほどの大きさの赤い果実で、西アフリカ原産の植物になる。果実には「ミラクリン」というたんぱく質が含まれ、舌の味を感じる部分(味蕾)に作用して、「酸っぱい」と感じる味覚機能を一時的に狂わせて「甘い」と感じさせる。

 これは、ミラクリンがレモンや酢などの酸味と反応すると、舌の甘味を感じる部分に強く働きかけて、「甘い」という感覚を「酸っぱい」という感覚よりも強く脳まで伝達するからだという。このようにミラクルフルーツは、味覚器官にのみ働きかけて、食物本来の味とは違う味覚をもたらすため、味覚修飾植物と呼ばれる。

 日本国内でもミラクルフルーツの人工栽培が行われているが、収穫すると1週間ほどでミラクルフルーツが劣化してミラクリンが消滅してしまうため、流通は困難とされていた。

 そこで今回の共同開発では、収穫後に種を取り除き、実の部分だけを氷点下20度以下で乾燥、粉砕。これによりミラクリンを壊すことなく錠剤化することに成功し、長期保存も可能にした。

 ミラクルフルーツを初めとする味覚修飾植物を研究している島村氏は、名古屋市内の医師と共同研究を行い、ミラクルフルーツの実を3〜4カ月食べ続けることで食生活中での糖分摂取が減り、生活習慣病患者のヘモグロビンA1cが正常値に戻ったケースを確認している。また「糖分を制限しなければならない糖尿病患者は、体が欲する甘みを、砂糖を使わない、酸味のきいた低カロリーのゼリーなどで補える。我慢をしなくて済むし、自然と糖分の摂取も減るだろう。もちろん、甘いものの食べ過ぎで体重が気になっている人にもおすすめ」と話す。

 タブレットは噛まずに舌の上で溶かして利用する。効果は個人差もあるが、30分〜1時間ほど続くという。ただし、甘く感じられるのはレモン、酢程度の酸味まで。「あまりに酸味が強いと、酸っぱく感じる場合もある」(島村氏)。

 ミラクルフルーツについてのお問い合わせは、島村光治氏のホームページ(http://shima.npo.gr.jp/)まで。タブレットの購入は大西克商会のホームページ(http://www.miracle-fruit.net/)を参照のこと。(熊介子、日経ヘルス


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