2006.01.11

【裁かれたカルテ】C型肝炎の患者が肝細胞がんにより死亡 早期発見のための検査を怠った過失を認定

 C型肝炎患者が肝細胞がんにより死亡したのは、医師がインターフェロン療法をせず、また早期発見のための検査を怠ったためだと訴えていた裁判で2005年11月30日、医師の過失を認め、約4000万円の支払いを命じる判決が下った。

 患者Aさんは2002年6月23日に肝細胞がんで死亡した。65歳だった。Aさんの相続人である原告らは、被告医療法人S内科医院の理事長である被告C医師を相手に、約7000万円の賠償を求め提訴していた。

■ インターフェロン療法をしなかった過失

 判決で目を引くのは、C型慢性肝炎と肝がんの治療に関する一般的知見として、以下の見解を示した点だ。

 「C型肝炎患者を診る医師は、1992年当時においても、その頻度についてはともかくとして、以下の検査を定期的に行い、その結果肝細胞がんが発生したとの疑いが生じた場合には、その確定診断を行うようにすべき注意義務を負っていた。」

 ここで示された検査は、血小板数検査、腫瘍マーカー検査、腹部超音波検査(エコー)、CT検査だった。

 この見解を基に、被告C医師の過失について検証している。

 まず、最初の争点となった「インターフェロン療法をしなかったことの過失」については、「1992年当時、インターフェロンは、著効例においてはC型肝炎ウイルスを駆除する効果があるから、C型肝炎患者に対しては、インターフェロン療法をまず第1に選択すべきであることが、医学的に広く知られていた」と認定。その上で、当時の開業医の医療水準として、インターフェロン適応の有無を判断するために、速やかにHCV-RNA定量とHCVセロタイプの検査を行い、適応がある場合には、自らこれを行うか、被告医院で行えないのであれば行うことができる他の医療機関に転院させるべき注意義務を負っていたと判断、「被告医師はこれを行わなかったのであるから、注意義務違反があった」と結論づけた(詳しくは有料ネット講座「まさかの時の医事紛争予防学」で提供しています)。

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