2005.12.02

Reneuron社、脳卒中対象に2006年半ばに成人幹細胞製剤の治験申請へ

 英ReNeuron社は、成人幹細胞製剤ReN001の脳卒中を対象にした臨床試験の申請を2006年半ばに米国で行い、2006年末には試験を開始する計画だ。同社の経営最高責任者であるMichael E Hunt氏(写真左)と最高科学責任者であるJohn Sinden氏(写真右)がこのほど明らかにしたものだ。すでに米食品医薬品局と治験申請に関する事前打ち合わせを済ませており、前向きの返答を得ているという。また、2006年第1四半期には臨床試験に使うためのGMP適合製造施設が完成するという。試験が開始されれば、脳卒中に対する初めての成人幹細胞の臨床試験となる。

 ReN001はマウスの脳卒中モデルを用いた実験で組織学的に回復していることが確認できている。また、モデルマウスで接着されたテープをはがすまでの時間を指標として運動神経の機能を調べたところ正常マウスと同等レベルに回復することを確認している。また、前臨床試験で腫瘍形成を引き起こさないことも見出している。

 同社のReN001は自己の幹細胞を移植するのではなく、c-mycERと呼ぶ技術を用いて、他家の成人神経幹細胞を移植するものだ。c-mycER技術は、まず単離した幹細胞にc-myc遺伝子とエストロゲン受容体遺伝子を融合した遺伝子をウイルスベクターを用いて導入する。導入された遺伝子を抗体を用いて選別したあと、融合遺伝子から生成される融合受容体にのみ結合して細胞増殖を活性化する4ハイドロキシタモキシフェンを加える。増殖後、4ハイドロキシタモキシフェンを取り除き、幹細胞を安定化させるものだ。得られた幹細胞は脳卒中後の回復を目的として、針を使って脳卒中が発生した場所の近傍に投与する。最初に幹細胞を単離する際に主要組織適合抗原(MHC)のクラス1、クラス2の発現が極めて低いものを選別しており、他家移植でも幹細胞に対する免疫反応は誘導されないという。

 ReNeuron社はc-mycER技術の特許を基に、幹細胞療法に強みを持つStemCell社と2005年7月に特許のクロスライセンスに成功しており、成人幹細胞製剤の開発に特許上の障害はないとしている。

 ReNeuron社は脳卒中以外にもハンチントン舞踏病、1型糖尿病、パーキンソン病、眼の領域の疾患で成人幹細胞製剤の開発に取り組んでいる。また、医薬品の評価に利用するための肝臓の細胞株の開発も進めている。(横山勇生)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 今から区分マンション投資?それは自殺行為です Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:87
  2. インフルエンザ脳症を疑う3つのポイント インフルエンザ診療Next:トピックス FBシェア数:148
  3. 結核病棟からの脱走劇 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:56
  4. 杏林大病院、診療体制維持での働き方改革に挑戦 シリーズ◎医師の「働き方改革」 FBシェア数:180
  5. 働き方改革の「緊急的取り組み」今月中に通知へ シリーズ◎医師の「働き方改革」 FBシェア数:91
  6. 日本一高いアイスクリームに医療費高騰の片鱗を見る Inside Outside FBシェア数:77
  7. レセプト査定される糖尿病処方、教えます 岩岡秀明の「糖尿病診療のここが知りたい!」 FBシェア数:211
  8. 持効型インスリン:デグルデクがシェア伸ばす NMO処方サーベイ FBシェア数:36
  9. 記録が伸びないアスリートに多い内科的疾患 記者の眼 FBシェア数:64
  10. 約2000万人の未診断者が課題 特集◎生活習慣病 7つの新常識《インタビュー》 FBシェア数:59
医師と医学研究者におすすめの英文校正