2005.12.02

腎がんに高い有効性が期待のアプタマー製剤、2番目のフェーズ1結果が来年前半に判明

 英Antisoma Reserach社は、抗がん剤として開発を進めているアプタマー製剤AS1411の2番目のフェーズ1臨床試験の結果が、2006年前半に出る見通しであることを明らかにした。AS1411は最初のフェーズ1臨床試験において、進行腎がんで高い効果を示したため、2番目のフェーズ1試験は被験者の半数を腎臓がんにして進められており、結果が注目されている。12月1日に開催された英国最大のバイオネットワーキングカンファレンスGENESIS Vに出席した同社の最高経営責任者であるGlyn Edwards氏(写真)が明らかにしたものだ。

 AS1411は特定の分子に結合する1本鎖RNAであるアプタマー医薬品で、がん細胞の表面に存在するヌクレオリンに結合して複合体を形成、がん細胞死を誘導する製品。AS1411は他のアプタマー製剤と異なり末端部分が内側にもぐるようになっており、RNA分解酵素による分解を受けにくいため、化学的な修飾を施さずそのまま投与できる製品だ。

 AS1411は種々のがん患者17人を対象にした最初のフェーズ1臨床試験で、安全性に問題がないことが確認されたとともに、特に腎臓がん患者で有望な結果が得られた。あらゆる治療を施しても腫瘍が増殖し続けていた3人の腎臓がん患者で1人がPRを達成、2人も増殖が停止するSD状態を9カ月と15カ月維持することができた。PRの一例は18cmあった腫瘍が16カ月目で0.5cmの大きさまで縮小したという。他の腫瘍では5例がSDを達成した。

 このため23人の患者を対象にしたAS1411の第2のフェーズ1臨床試験を開始しており、その約半数を腎臓がん、約半数を肺がんにして実際の効果を明確化させることを目指している。肺がん患者も対象に含めたのは、前臨床試験で肺がんに対する効果を示唆する結果が得られていることと、腎臓がん患者では片方の腎臓を手術で除去している例が多く、フェーズ1試験の目的の一つであるAS1411の体内動態の確認をするには腎臓が両方とも存在する患者が必要だったためだ。

 Antisoma社はスイスHoffmann-La Roche社と提携しており、開発中の製品の権利はほとんどをRoche社が保有しているが、AS1411に関しては提携の範囲外でAntisoma社が権利を保有している。また、アプタマーに関する強い特許を持つ米Archemix社からライセンスを受けており特許面の問題もないという。(横山勇生)

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