2005.12.01

英Ionscope社、細胞を生きたまま高解像度解析が可能な顕微鏡を発売へ

 生細胞にダメージを与えず生きたまま高解像度で観察できる新しい顕微鏡が2カ月以内に発売される。英Ionscope社が開発したイオン伝導性顕微鏡と呼ぶ製品で、細胞にダメージを与える電子顕微鏡や原子間力顕微鏡ではできなかった細胞の表面変化を連続的に観察することが可能になる。薬剤を投与したあとの細胞の変化の観察や従来はできなかった細胞に対するパッチクランプも可能になるという。1台6万ポンドで全世界で発売することを同社の最高経営責任者であるNoah Freedman氏(写真)がこのほど明らかにした。

 Ionscope社が開発したイオン伝導性顕微鏡は、先端の直径が100nmのナノピペットを利用する。ナノピペットの先端から微量の電流を放出する。細胞の表面からナノピペットの間の距離に応じて放出された電流量が測定できることを利用して、ナノピペットを細胞の表面から20nmから30nmの一定の高さに維持することができる。この原理を利用して細胞の表面をスキャンすると細胞表面に全く接触せずに、ナノピペットの位置の変化から表面の凹凸を調べることが可能になるわけだ。解像度は水平面が5nmで垂直面が1nmだという。

 Freedman氏は、イオン伝導性顕微鏡を利用することで実際にニューロンのシナプスの観察や腎臓由来細胞がアルデステロンを投与することで一部の細胞が丸く膨らむことを観察できることなどの実例を示した。また、従来は入射角度のためにパッチクランプができなかった細胞でも、細胞表面凹凸を調べられることを利用して、極細のナノピペットを適切な場所に垂直に細胞表面に下ろすことでパッチクランプを行うことができるという。さらに蛍光染色などと組み合わせた解析などもできるという。(横山勇生)

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