2005.11.29

3種類のがん細胞株を組み合わせた前立腺がんワクチンのフェーズ2b試験が来年前半に開始 

 英Onyvax社は11月28日、前立腺がん患者から採取し確立した3種類の細胞株を利用したがんワクチンOnyvax-Pのフェーズ2b臨床試験を2006年の第1四半期か第2四半期に開始することを明らかにした。同社のBusiness Development ManagerのRob Johnson氏(写真)が明らかにしたものだ。

 Onyvax社のワクチンの特色は、進行段階の異なる患者から採取した3種類のがん細胞を利用しているところだ。原発腫瘍、リンパ節転移巣、骨転移巣から取り出して株化しているため、数百の前立腺がんに対する抗原が発現しているという。投与はホルモン療法耐性で転移がない患者を対象とし、免疫能を保持している患者を選んでいることも大きな特色だ。

 月1回3種類の細胞株を放射線で不活化して、800万個ずつ投与したフェーズ2a臨床試験では、40%の患者で前立腺特異抗原の値の上昇を抑制できることと、転移を起こすまでの期間が対照群では平均で26週間だったのが58週に延びることを確認している。

 Onyvax-Pのフェーズ2a臨床試験は75人の前立腺がん患者を対象に行われるもので、主要評価ポイントは腫瘍が進行せずに生存している期間になる。25人の患者にプラセボ、25人の患者に3種類の細胞株からなるがんワクチン、25人の患者に2種類の細胞株からなるがんワクチンを投与する計画だ。試験は英国、エストニア、リトアニアの3カ国で行われ、18カ月から24カ月はかかる見通しで、その後フェーズ3臨床試験を実施する計画だ。

 また、Onyvax社は現在、Onyvax-Pと樹状細胞を組み合わせた臨床試験を米国立がん研究所とMayo Clinicと検討している。

 Onyvax社は固形がんに幅広く存在している腫瘍抗原であるCD55に対する抗イディオタイプ抗体であるOnyvax105のフェーズ1/2臨床試験も行っている。CD55抗原はがん細胞が免疫を回避するところで作用していると考えられており、将来的にはOnyvax-Pなど細胞を利用したがんワクチンと組み合わせていく計画だ。このほか、Mayo Clinicから導入した4種類の子宮がん細胞株を利用したがんワクチンなどの開発も進めている。(横山勇生)

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