2005.11.17

【AHA2005速報】ニコチン依存者に対する新たな禁煙治療薬Vareniclineに、bupropinの2倍近くの効果を確認

 ニコチン依存者に対する新たな禁煙治療薬であるVareniclineは、対照薬の経口禁煙治療薬より2倍近くの効果があることが分かった。ノルウェーUllevaal大のTonstad Serena氏が11月15日、セッション「Late-Breaking Clinical Trials Session 3」で発表した(写真)。

 Vareniclineは、脳レセプターであるニコチン性アセチルコリン受容体に部分的に作用するα4β2ニコチン受容体部分的作用薬で、禁煙を促す薬として開発された。

 研究グループは、Vareniclineの禁煙効果を明らかにするため2つの二重盲検対照試験(Studies1と2)を実施した。どちらも実薬対照をbupropin(Zyban、欧米で発売されている処方薬の経口禁煙治療薬)とし、2つの試験で合計2052人の喫煙者を対象に行われた。

 Studies1では、1025人の喫煙者が Varenicline群(349人)、bupropin群(329人)、プラセボ群(344人)に割り付けられた。一方、Studies2では、1027人の喫煙者がそれぞれVarenicline群(343人)、bupropin群(340人)、プラセボ群(340人)に割り付けられた。

 2つの試験とも被験者は、割り付けた時点から12週間、Varenicline(1mgを1日2回)かbupropin(150mgを1日2回)あるいはプラセボを投与された。試験の終了後も対象者は、40週間に渡って治療をしないままの状態でフォローアップされた。

 12週間の治療で、9週から12週の4週間連続で禁煙が確認された被験者は、Studies1では、Varenicline群で44.4%、bupropin群で29.5%、プラセボ群で17.7%だった。Vareniclineで禁煙した被験者のオッズ比は、対bupropinで1.96(95%信頼区間1.42-2.72)、対プラセボで3.91(95%信頼区間2.74-5.59)だった。  

 同様にStudies2では、Varenicline群で44.0%、bupropin群で30.0%、プラセボ群で17.7%だった。Vareniclineで禁煙した被験者のオッズ比は、対bupropinで1.89(95%信頼区間1.42-2.72)、対プラセボで3.85(95%信頼区間2.74-5.59)だった。つまり、両試験それぞれで、Vareniclineにbupropiの約2倍、プラセボの約4倍の効果が確認された。

 さらに9週から52週までの間、禁煙継続率を調べたところ、Studies1では、Varenicline群で22.1%、bupropin群で16.4%、プラセボ群で8.4%だった(対bupropinではp=0.054、対プラセボではp<0.0001)。同様にStudies2では、Varenicline群で23.1%、bupropin群で15.0%、プラセボ群で10.3%という成績だった(対bupropin、対プラセボともにp<0.0001)。

 有害事象としては、Studies1では、吐き気(Varenicline群28.1%、bupropin群12.5%、プラセボ群8.4%、以下同)、頭痛(15.5%、14.3%、12.2%)、悪夢(10.3%、5.5%、5.5%)などが認められた。Studies2では、吐き気(29.4%、bupropin群7.4%、プラセボ群9.7%)、頭痛(12.8%、7.9%、12.6%)、悪夢(13.1%、5.9%、3.5%)などが認められた。(三和護、医療局編集委員)

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