2005.11.09

カーボンナノホーンへの抗がん剤内包に成功、新しい抗がん剤のDDSになる可能性

 日本電気(NEC)、科学技術振興機構(JST)と財団法人癌研究会癌研究所は11月9日、新しいドラッグデリバリーシステム(DDS)であるカーボンナノホーンに抗がん剤シスプラチンを内包させることに成功したと発表した。内包化されたシスプラチンがナノホーンから放出され、がん細胞を傷害できることを細胞実験で確認した。

 カーボンナノホーンは、ダイヤモンド・非晶質・グラファイト・フラーレンに次ぐ5番目の炭素材料であるカーボンナノチューブの一種。直径は2〜5nm、長さ40nmから50nmで不規則な形状を持つ。数百本寄り集まって直径100nm程度の球形集合体を形成している。癌細胞には100nm程度のサイズの物質を取り込みやすいという特徴があることから、カーボンナノホーン集合体は悪性腫瘍に特異的に蓄積される可能性が高く、今後、抗がん剤のDDSへの応用が期待できそうだ。

 研究グループは、カーボンナノホーンにあけた孔を通して、シスプラチンをナノホーンの中に入れた。ナノホーンの10%程度の重量のシスプラチンが内包され、シスプラチンは分子構造を維持して2nm程度のクラスターを形成していることを電子顕微鏡観察などで確認した。また、がん細胞を培養している容器にシスプラチン内包ナノホーンを入れると、シスプラチンが培養液中でナノホーンから徐々に放出され、癌細胞を死滅させることも確認した。 

 カーボンナノホーンは2004年に抗炎症薬デキサメタゾンを担持できることが分かり、DDSへの応用が期待され始めていた。(横山勇生)

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