2005.10.31

中国で石炭ストーブに煙突を付けCOPDリスクが25〜40%減

 中国雲南省で、石炭ストーブに煙突を付けることによって、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症リスクが、男性で42%、女性で25%減少することがわかった。タイChulalongkorn大学のRobert S. Chapman氏らが、中国雲南省宣威(Xuanwei)郡に住む2万人超について、後ろ向きコホート試験を行って明らかにしたもので、BMJ誌オンライン版に2005年10月18日に公表した。宣威郡は、COPDの発症率が全国平均の2倍以上で、また肺癌発症率も国内で最も高い地域の1つだという。

 同氏らは、1917〜51年の間に生まれ、1976年に宣威郡に在住した約3万人について、1992年に追跡調査を行った。そのうち、有煙ストーブを継続的に使用した人など、最終的には2万453人(うち男性は1万785人)について分析を行った。その中で、追跡期間中にストーブに煙突を備え付けたのは、81.2%にあたる1万6606人だった。

 1976〜1992年の間にCOPDを発症したのは、全体の7.3%にあたる1487人。ストーブに煙突を付けなかった3847人中の発症者は746人(19.4%)、煙突を付けた1万6606人中の741人(4.5%)だった。COPDの発症リスクと煙突の有無について見てみると、煙突の付いた石炭ストーブのある家に住む人は、そうでない人に比べ、COPD発症リスクが男性では0.58(95%信頼区間:0.49〜0.70、p<0.001)倍に、女性では0.75(同:0.62〜0.92、p=0.005)倍に、それぞれ大幅に減少することがわかった。

 同研究グループでは、女性の同リスク減少幅が男性に比べて少ない点について、女性は若い頃から料理をすることが多く、そのために室内の高濃度に汚染された空気に長時間被爆しているためではないかとしている。

 本論文の原題は「Improvement in household stoves and risk of chronic obstructive pulmonary disease in Xuanwei, China: retrospective cohort study」。アブストラクトはBMJ誌Webサイトのこちらまで。なお、研究グループのQing Lan氏らは同じ調査データに基づいて、ストーブに煙突を取り付けた場合、肺がん発症率が約4割減少したことを報告している。(當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

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