2005.10.28

【高齢化に関する論説】 雨の降る前に

 「長寿社会」の新しいネットワーク作りを考える「方円の器」を主催する江上尚志氏の「高齢化に関する論説」から、「雨の降る前に」を紹介します。

■■□ 高齢化に関する論説
■■□ 雨の降る前に     江上尚志氏

 思いがけない人から電話をもらう。もしかしたら“善くないことがあったのではないか”と知らないうちに心の中で身構えている。そういうときに限って時候の挨拶が長くて本題に入らない。相手をビックリさせないためにどうするか、心の準備をする時間を作ってあげようとしているのだろうか。それが年配者に多い生活習慣なのかもしれない。若いうちは“年寄り”のそうした態度がたまらなく嫌だった。これは“準備なんかしない”という生活態度に共通することでもある。そのことに気づくのが遅かったかもしれない。

 考えているレベルから十分準備をしているまで様々なクラスがある。「万人は一人のため一人は万人のため」というヘラクレイトスの言葉が保険の真髄を表している。自助・共助・公助という。ところが社会保障制度は準備ができない人も対象にせざるをえない。そこで最低限の保障という表現の元に生活保護、国民年金、介護保険などの諸制度があるのだが、いつの間にか“満足できる水準”を国民が求めていることに気づく。どうも妙なことだが、このことは政治家に責任がありそうである。

 この夏に前神奈川県知事夫人と娘さんが落雷で死亡されるという痛ましい事故があった。その時ちょうど鶴岡八幡宮の七夕祭が終わろうとしていたときでのことだ。雲行きが怪しく雷鳴が轟くので私は個人の判断として早めに店仕舞いすることにして駅に着いた。まさにそのとき大粒の雨が降り出しとっさの判断が正しかったと思ったことだ。不幸にして災害にあわれた方々には気の毒なことだが、雨の中を歩かなければならなかった理由は措くとしても雷鳴を避ける手立てはなかったのだろうか。

 ゴルフ場でも落雷よけのネットがあり雷が鳴ったらそこに逃げ込むようになっている。雷のエネルギーの凄さは神社仏閣の大きな樹木を見ればわかる。高い木が黒焦げになっているのを目にする。高い山の中腹にあるような場合はなおさらである。野球場などで発生する青年の被害も毎年のことだが、こうした自然災害のことはなかなか親から子への伝承が難しいのかもしれない。しかし“雷さんが鳴ったらお臍を隠しなさい”という俗信の方は伝わっているから不思議である。

*続きは方円の器でどうぞ。URLは、http://www11.ocn.ne.jp/~uten/です。
(まとめ:三和護、医療局編集委員)

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