2005.10.24

【日本心不全学会速報】日本初の医師主導の大規模臨床試験J-CHF、参加施設は予定を含め300施設を超える

 慢性心不全に対するβ遮断薬の治療法の確立を目指す大規模臨床試験J-CHF 注)の参加施設が、予定も含め300施設を超えたことが分かった。2003年7月に医師主導でスタートした試験は、2005年10月末までに、参加表明施設が241件、予定施設が64件となり、合計で305施設となった。ただし、症例登録は88施設からの216症例にとどまっており、2006年12月までに1500例という目標症例数を達成するための対策が必要となっていることも明らかになった。10月22日の特別セッションで、J-CHF事務局を務める北海道大学の岡本洋氏(写真)が発表した。

 J-CHFは、慢性心不全患者を対象として、β遮断薬カルベジロール3用量群の有効性、安全性を比較し、至適用量を明らかにするとともに、レスポンダー、ノンレスポンダー患者の背景検索を行い、β遮断薬の治療法におけるテイラーメード医療を確立することを目標に掲げている。

 非盲検無作為化並行群間比較試験で、選択基準は、(1)症状の安定した慢性心不全患者(服薬開始前でNYHA心機能分類に変動がない患者)で、 観察期間中カルベジロールを投与していない患者、(2)重症度はNYHA心機能分類がII度またはIII度、かつEFが40%以下の患者、(3)観察期開始時の年齢が20歳以上80歳未満の患者−−など。入院あるいは外来、あるいは性別は問わない。

 試験薬は、アーチスト錠1.25mg、2.5mg、10mg(カルベジロールとして1.25mg、2.5mg、10mgを含有するフィルムコート錠)。治療薬群は、2.5mg群、5mg群、20mg群の3群。目標症例数は、各群500例の合計1500例を目指している。試験期間は2003年7月5日から2007年12月まで。症例登録は2006年末まで。

 これまでに登録された216例のまとめでは、65歳以上が40%、男性が76%となっている。イベントの発生は、死亡2例、心不全悪化による入院が6例などだった。

 J-CHFの参加施設や症例登録状況を説明した岡本氏は、医師主導型臨床試験の課題にも言及した。特に、「基盤整備なくして探索的研究は振興しない」と強調、有害事象が発生した場合に備えた補償制度の確立、参加施設へのインセンティブの具体策、財源の確保など、具体的な基盤整備の必要性を訴えた。(三和護、医療局編集委員)


注)J-CHF。Assessment of Beta-Blocker Treatment in Japanese Patients with Chronic Heart Failureの略。医師が主導して行う心不全領域では国内初の自主研究。日本循環器学会が後援している。概要はJ-CHFのホームページへ。

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