2005.10.20

【日本アレルギー学会速報】重症アトピー性皮膚炎を対象のSTAT6デコイ臨床研究始まる

 東京医科歯科大学医学部皮膚科学教授の横関博雄氏は、STAT6に対するデコイオリゴヌクレオチド(STAT6デコイ)をアトピー性皮膚炎患者に投与する臨床研究を今月から開始したことを明らかにした。

 STAT6はインターロイキン4やインターロイキン13の重要な転写調節因子で、IgE値が極めて高い重症アトピー性皮膚炎患者に多く発現していることが知られている。STAT6デコイは、STAT6が本来結合する部位と同一の配列を持つオリゴヌクレオチドで、本来の部位への結合を阻害することで抑制効果を発揮するものだ。

 アトピー性皮膚炎を対象にしたデコイとしては、NFκBのデコイが臨床試験入りしているが、STAT6デコイは、ステロイドやNFκBデコイが効かないような重症の患者への治療薬とすることを目指している。横関氏は、アトピー性皮膚炎の動物モデルでSTAT6デコイが有効であることを示す結果を10月20日に盛岡市で開催された日本アレルギーのシンポジウム3「アレルギー疾患の新しい治療戦略」で発表した。

 横関氏は3種類のアトピー性皮膚炎動物モデルに対する効果を発表した。抗DNP-IgE投与マウス、ハプテン反復外用マウス、抗原特異的IgEトランスジェニックマウスに対し、センダイウイルスとリポソームをハイブリッド化したもののなかにSTAT6デコイを入れて皮下に投与した。

 この結果、STAT6デコイが、抗原特異的IgE抗体投与によって、2峰性の反応が誘導できる抗DNP-IgE投与マウスの耳介腫脹反応を抑制できることを確認した。またハプテンによる感作後、ハプテンを反復塗布することで、耳介腫脹反応が早期にシフトするハプテン反復外用マウスにも効果があることを確認した。さらにTNP特異的IgEの遺伝子を導入し、マウス耳介にTNP-OVAを皮下投与することで3相性の耳介腫脹を起こす抗原特異的IgEトランスジェニックマウスでもSTAT6デコイは効果を発揮した。

 横関氏らはSTAT6デコイを白色ワセリンを基材として、軟膏化した場合にも効果を示した動物実験の結果も示した。(横山勇生)

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