2005.10.07

【患者さんのための情報サイト「がんナビ」から】 多職種によるチーム医療 総力戦でケアする時代に

外科で手術を勧められ、他の選択肢があったにもかかわらず手術をしてしまうことが、かつてはよくありました。今は、他の診療科の医師、看護師やソーシャルワーカーなど、様々な職種の人たちと一緒に考え、治療を受ける時代です。

静岡県立静岡がんセンター総長
山口建さん
山口建さん顔写真


 わが国のがん治療をリードするような病院でも、以前は、最初にどこの科に行ったかで、どういう治療をするかが決まる傾向がありました。同じ病院の中でも外科に行ったら手術、放射線科に行けば放射線治療など、その患者さんにとって最善の治療か疑問に思うこともありました。

 しかし、「がん治療の標準化」あるいは「均てん化(どこでも高い医療の質を提供すること)」が言われるようになって、どこに住んでいても、病状、進行度に合わせてその時点でベストな治療を受ける権利が患者さんにはあると、多くの医療提供者が認識するようになりました。それと共に、個人商店のように各科がバラバラに治療を提供していた時代から、様々な専門分野の医師が連携して治療法を選択し、チームで治療に当たる時代に変わってきています。

 患者さんの中には、がんの告知や進行によって精神的なダメージを受けたり、高齢者であるため病変の治療以外に様々なケアが必要な方がたくさんいらっしゃいます。医師による治療だけではなく看護師、臨床心理士、ソーシャルワーカーらによる精神的なケアや生活面でのサポートが非常に重要です。また、食事指導や薬の管理も大切です。手術後に肺炎などの合併症を起こす危険性を減らすための術前トレーニング、手術後のリハビリが必要な人もいます。

 そういった全人的なケアと、がんという病気自体の経過に合わせた最善な治療を受けるためには、患者さんを中心に、各科の医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリ部門、ソーシャルワーカーといった様々な職種がチームを組むことが必要です。静岡がんセンターでは、2002年の開院当初からこの「多職種チーム医療」を展開しています。 <<続く>>

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