2005.10.05

施設別5年生存率 病院の実力を確認しよう

 施設別5年生存率は、その病院が治療した人のうち5年後に生きている人の割合を表すもので、病院の実力を見るために重要な指標のひとつです。2004年に、日本経済新聞と日経メディカルが共同で、肺がん、胃がん、肝臓がん、大腸がん、乳がんの施設別5年生存率の調査を行いました。右上の表はその結果の一部ですが、がんによっては、30ポイントも差が出たものもあります。

 今年6月には、厚生労働省の研究班によって、全国がん(成人病)センター協議会加盟病院の胃がん、肺がん、乳がんの施設別5年生存率が発表になりました。病院名が公表されていないのが残念ですが、その結果を見ても、やはり病院によって13〜20ポイントもの差があることが分かっています。実力の高い病院を選ぶためには、治療を受ける前に、自分のがんについて、かかっている病院の5年生存率を確認する必要があるわけです。

 こうした生存率は、日経の調査をまとめた本やサイトのほか、各病院のホームページなどで知ることができます。そういったところで見つからなかった場合には、主治医に直接、「私のがんと病期の場合、ここでの5年生存率はどのくらいですか」と聞いてみるとよいでしょう。

 日経の調査では、症例数が多くても治療成績が全国平均を大きく下回る病院があるなど、必ずしも有名なブランド病院が良いとは限らないこと、同じ病院でもがんの種類、病期によって実績に差があることが分かっています。施設別5年生存率を見るときには、自分のがんと進行度に合わせて確認しましょう。

 ただ、複数の病院を比較する場合には、計算方式などデータの定義に注意してください。定義が異なれば、10ポイントくらい簡単に上下しますから、同じ物差しで測ったものを比べないと意味がありません。特にホームページで公開されている5年生存率には、追跡率(生死が把握できている割合)の低いものがあります。追跡率が低ければ数字の信頼性も低いので、気をつけてください。

 ほかの病院と比べ10ポイント以上差がある場合には、なぜそういう結果が出ているのか、主治医に聞いてみるとよいでしょう。より多くの患者が治癒できるよう、日々研究し努力しているような病院なら、納得のいく答えが返ってくるはずです。

 一方で、心臓病や糖尿病など、がん以外の重い病気のある人は治療しない病院があるなど、生存率だけでは分からないこともあります。チーム医療、スタッフや設備の充実度、手術死亡率など、ほかの指標とも合わせて病院を選ぶようにしてください。

 最後に、治療を受ける病院を決めたら、5年生存率を忘れることも大切です。生存率は過去のデータであり、平均的な結果に過ぎません。生存率をきっかけにして、主治医や複数の医師の話をよく聞いてください。その過程で自分に合う医師が見つかれば、生存率にこだわらず、納得のいく治療を受けることにつながるのではないでしょうか。

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