2005.10.05

医師コミュニケーション コツをつかんで信頼関係を築く

 「先生がきちんと説明してくれない」「先生が全然親身になってくれない」「つらいのにわかってもらえない」。医師の態度や診療内容に、そんな不満を口にする患者さんは少なくありません。もちろん医師の側にも問題があるかも知れませんが、一方で、限られた診察時間を上手に使って、医師とコミュニケーションを取っている患者さんもいらっしゃいます。

 自分の病状や進行度を誰よりも把握しているのは、ほかならぬ主治医です。自分に合った治療を受けるためにも、医師とのコミュニケーションをスムーズにする工夫をしてみてはいかがでしょうか。

 まず、実践してみていただきたいのは、病状や経過を右上の図のような「がん病状記録メモ」にまとめて、診察の際、医師に手渡すことです。メモには時系列的に日付、時間、曜日を入れ、簡潔にポイントだけを押さえて書くようにします。聞きたいこと、困っていることがあれば、それも一緒に書いておくとよいでしょう。

 書くことで、患者さん本人も伝えたいことを整理することができますし、病状の変化のパターンを客観的に見ることができます。また、医師も今までの経過など必要な情報を短時間で把握し、より的確な治療方針を出すことにつながります。それに、書面で残りますから、口頭で伝えたときと比べて、誤解や行き違いが少なくて済みます。大事なことを伝え忘れてしまうこともありませんし、時間をかけて経過を話すよりも効果的です。

 短い診療時間でも本当に大事なポイントだけ話すことができ、患者さんの満足感にもつながるでしょう。

 メモは、セカンドオピニオンを受けるときやほかの病院で治療を受けることになったとき、再発したときなどにも役立つ可能性がありますから、医師に手渡す前にコピーを取っておくようにしましょう。病院からもらった検査結果などと一緒にまとめておけば、自分でカルテを作っているようなものです。

 それから、いま一番何がつらくて何をしてほしいのか、メモでも口頭でもよいですから、はっきりと伝えることが大切です。とにかく、がんになったことがつらくて夜も眠れないのか、痛みを取ってほしいのか、一刻でも早く治療を進めることを願っているのか。患者さん本人が何に困って何を求めているかで医師の対処の仕方は違ってきます。

 具合が悪く気持ちが落ち込んでいるときには「どうして理解してくれないのだろう」と思うかもしれませんが、医師も人間ですから、分かってもらうために患者さんのほうから歩み寄ることも必要かもしれません。また、病気について勉強し情報を集めることも重要です。

 それから、社会のマナーとして当然ですが、ある程度丁寧な言葉遣いで接するようにしましょう。変に遠慮をしたり持ち上げたりすることはありませんが、医師のほうも勉強熱心で自分を信頼してくれている患者さんの治療には自然と力が入るものです。

 がんという病気の性質上、主治医とは、5年、10年あるいはそれ以上の長いつきあいになることが多いのです。“がん難民”にならないためにも、一生のパートナーとなりえる医師と信頼関係を築いてほしいと思います。

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