2005.10.03

日本発の免疫抑制剤FTY720、多発性硬化症対象の臨床試験で有望結果 

 スイスNovartis社は10月1日、三菱ウェルファーマから導入した免疫抑制剤FTY720が、多発性硬化症を対象にしたフェーズ2臨床試験で有望な結果が得られたと発表した。Novartis社は2005年末までにフェーズ3試験開始を目指している。なお、わが国では腎移植を対象にした臨床開発は行われているが、多発性硬化症を対象には行われていない。フェーズ2臨床試験の結果は、ギリシャで開催されたECTRIMS/ACTRIMS会議で発表された。

 FTY720は、冬虫夏草の一種であるlasaria sinclairii菌が産生するミリオシン(myriocin)をリード化合物として、化学修飾により創製された化合物。細胞障害を引き起こすT細胞に直接作用することが特徴で、既存の単剤もしくは既存の免疫抑制剤と併用することで、臓器移植の拒絶反応抑制や自己免疫疾患などの治療薬になると期待されている製剤だ。

 フェーズ2試験は欧州とカナダの11カ国32施設で行われた。まず281人の患者をプラセボ投与群、FTY720の1.25mg投与群、FTY720の5mg投与群に分けて1日1回経口で投与した。プラセボ群は6カ月終了後にFTY720の1.25mgもしくは5mgをさらに6カ月投与した。すでにFTY720投与群も継続して6カ月投与を行った。

 その結果、FTY720投与群は、6カ月投与時点でプラセボ群と比べて再発率が50%以上低下し、その状態は継続投与した6カ月の間も維持されていた。プラセボからFTY720に切り替えた群では、最初のプラセボを投与した期間に比べて、後半の6カ月間で、再発率が少なくとも70%低下したという。

 またMRI(磁気共鳴画像)を用いた解析では、12カ月の時点でFTY720を投与したすべての群で炎症活性の低下がみられた。プラセボからFTY720に変更した患者では、12カ月時点での炎症部位領域は80%以上減少していた。FTY120を12カ月まで投与した群では炎症活性を示す領域がなくなった患者が80%以上となったという。(横山勇生)

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