2005.09.22

【日本心臓病学会速報】 長時間作用型ループ利尿薬、短時間作用型に対し有意に慢性心不全の予後を改善−−動物実験で確認

 長時間作用型ループ利尿薬は、短時間型に比べて、慢性心不全の予後を有意に改善することが報告された。ダール食塩感受性ラットを使った動物実験で明らかになったもので、9月20日の一般講演で大阪大学の西尾まゆ氏が発表した。

 西尾氏らは、長時間作用型ループ利尿薬と短時間型の予後改善効果が必ずしも明らかになっていないことから、長時間作用型ループ利尿薬であるアゾセミド(以下AM)と短時間作用型であるフロセミド(以下FM)が心不全の予後に与える影響を検討した。

 実験には収縮不全モデルであるダール食塩感受性ラットを用い、8週齢から高食塩食を与え、代償性肥大期である21週齢にAM80mg/kg/日投与群(23例)、FM40mg/kg/日群(23例)、無投薬(HE)群(16例)の3群に無作為に分け、それぞれの予後効果を評価した。投与量は予備実験をもとに、血圧に与える影響が同程度になるように設定している。

 その結果、AM群ではHF群に対して有意に生存率を改善したが、FM群では有意な改善を見なかった。45週齢では、AM群が生存率40%以上だったのに対し、FM群、HE群とも0%だった(AM群とFM群、HE群との有意差はp<0.05)。

 研究グループは、長時間型と短時間型の予後改善効果の違いについても分析を試みたが、「両者の交感神経活性に与える影響の差に基づく可能性がある」(西尾氏)と考察した。心筋組織中のノルエピネフリンの枯渇が、長時間型の投与で改善を認めたことが根拠のひとつになっている。(三和護、医療局編集委員)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. ズバリ!up to date問題の出題のヤマはこ… 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:39
  2. 50歳男性、夜中の意識障害、痙攣 日経メディクイズ●心電図 FBシェア数:0
  3. 食べられない高齢者にはこう介入する Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:159
  4. プライマリ・ケア連合学会が成人までカバーしたワク… 学会トピック◎第9回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 FBシェア数:52
  5. 「学会の指針を転載したら金を払え」は正当か 弁護医師・田邉昇の『医と法の視点』 FBシェア数:127
  6. その図表、そんなタイトルじゃ伝わりませんよ 英文校正者が教える医学論文執筆の極意 FBシェア数:37
  7. 85歳の癌患者に標準治療を行いますか? リポート◎高齢癌患者の治療適否は予後とQOLへの影響で判断 FBシェア数:138
  8. 病理、リハビリテーション科、臨床検査の研修プログ… Cadetto Special●新専門医制度、各科の動向 FBシェア数:24
  9. 慢性的な膝の痛みに効く漢方 幸井俊高の「漢方薬 de コンシェルジュ」 FBシェア数:19
  10. 大阪北部で地震発生! 救急医の1日 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:169
医師と医学研究者におすすめの英文校正